多くの産業において、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められている。
経済環境省では「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」において、DXを推進しないことで2025年以降に大きな経済損失が発生すると予測されることを「2025年の崖」として提示している。
そのような現状を受けて、Colorkrewは2024年6月、 全国の会社経営者・役員・正社員・契約社員・公務員1000人を対象に「2024年 働き方に関するアンケート調査」を実施し、 日本の企業におけるDXの進捗状況を明らかにした。調査結果を一部抜粋して紹介する。
【調査概要】
調査名称:株式会社Colorkrew「2024年 働き方に関するアンケート調査」
調査手法:インターネットアンケート
対象:全国の会社経営者・役員・正社員・契約社員・公務員1000人
調査期間:2024年4月11日(木)~4月12日(金)
企業のDXが進まない→3人に1人が離職?
本調査では「あなたの職場でのDXの進行状況をどのように感じますか?」という質問に対し、全体の29.3%が「特に取り組んでいない」と回答。「すでにDX化できている」という回答は6.1%にとどまった。
「職場におけるDXの必要性についてどのように感じていますか」という質問に対しては、46.6%が「DXは重要」と回答。アンケートでは「無駄な仕事が多すぎるので働き⽅改⾰、業務効率化、両⽅を実現するためにとても重要だと思う」というコメントも寄せられた。一方で 「どちらともいえない(36.2%)」に回答した人の中には、「そもそもDXが何かわからない」というコメントが散⾒された。
続いて「働き方改善へとつながるDX化が進まないと離職を考えますか?」という問いに対しては、約3人に1人が「離職を考える」と回答。DX推進の滞りが人材流出につながるリスクが示唆された。
DXに求めることを尋ねると「データやデジタル技術を活用して、より効率のよい業務プロセスへ改善されること(23.9%)」が、最も高い結果になった。
若手とベテラン、埋まらない溝に困惑する中堅社員
本調査では、働き方を考える上で重要な要素として、異世代間のコミュニケーションにも光を当てた。
「仕事が終わらなければ、サービス残業や休日出勤も仕方ないと思いますか?」に対して、若手社員では「あてはまらない・あまりあてはまらない(44.5%)」の割合が最も高かったのに対し、ベテラン社員では「あてはまる・ややあてはまる(35.3%)」が最も高い結果になった。
また「自分でなくてもよいと思える仕事は、極力避けていますか?」という質問に対しても、若手社員では「あてはまる・ややあてはまる(37.0%)」の割合が最も高かったのに対し、ベテラン社員では「あてはまらない・あまりあてはまらない(35.8%)」が最も高い結果になった。
また飲み会やオンラインミーティングへの考え方についても、世代間で異なる傾向があることがわかった。こうした「溝」の間で苦悩を抱えることが多いのは、板挟みになる中堅社員だ。
調査では、中堅社員から「(上司が)昭和の考え方がまったく抜けておらず、キツく接することが正解だと思い込んでいるので、スパルタに接するように要求される」「若手社員がどれだけ仕事が遅く雑でも、やめて欲しくないからと注意や教育を放棄し、何かあった時は私が責められていた」など、 多くの苦悩の声が寄せられた。
DXの活用推進と、中堅社員を板挟みにしない世代間のコミュニケーション。この二つが今後のビジネスを考える上で大きな要素になっていきそうだ。