フィリピンのドゥテルテ大統領は10月2日、麻薬対策に関連して自らをナチス・ドイツの独裁者ヒトラーになぞらえた発言について「虐殺された600万の人々をおとしめる考えは全くなかった。ユダヤ人社会に対し心から謝罪する」と謝罪した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
左がドゥテルテ大統領、右がナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラー
ドゥテルテ大統領は9月30日、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺したが、(フィリピンには)同じ数の麻薬中毒者がいる。彼らを虐殺できれば幸せだ」と、南部ダバオ市で記者団に語った。この発言に対し、海外のユダヤ人団体や国連、アメリカなど国内外から抗議の声が相次いでいた。
ドゥテルテ大統領は2日、フィリピンで多くの麻薬犯罪者が殺害され、自身が「ヒトラーみたいだと言われている」と言いたいだけだったと釈明。「強調したかったのは、私が殺すのは麻薬中毒者だということだった」とする一方、「謝罪するのはユダヤ人社会に対してだけ。EUの弁護士や人権団体よ、ふざけるな」と、麻薬捜査を問題視する団体を罵倒したという。
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