干ばつは、生態系の炭素貯蔵に影響を及ぼすが、干ばつからの生態系の回復に影響を及ぼす要因はまだよく分かっていない。
今回、干ばつからの総一次生産力の回復時間は、気候や炭素循環のダイナミクスと強い関連があり、生物多様性や二酸化炭素肥沃化との関連は、はるかに小さいことが見いだされた。
著者たちはさらに、熱帯と北半球高緯度域で回復時間が最も長いことや、活発に回復している生態系の面積と回復時間の長さが20世紀にわたって全球で増大していることを明らかにしている。
将来、干ばつがより頻繁に起こるようになれば、回復が不完全な状態が慢性的になり、陸域の炭素シンクに悪影響を及ぼす可能性がある。
Nature548, 7666
2017年8月10日
doi:10.1038/nature23021
【関連記事】
生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となる Nature547, 7664 2017年7月27日
ディーゼル車の排ガスの危険性 Nature545, 7655 2017年5月25日
地球規模の持続可能性の目標を達成する Nature544, 7649 2017年4月13日
食料の国際貿易によって水が枯渇する Nature543, 7647 2017年3月30日
オーストラリア内陸の乾燥地帯に最初に踏み入った人類の痕跡 Nature539, 7628 2016年11月10日