アメリカ西部を襲う干ばつ、干上がる湖の底(画像)

アメリカ西部を流れるコロラド川の流域は15年近くにわたって干ばつに悩まされており、現在水が急速になくなりつつある。水位が低くなったパウエル湖の様子を、写真家のジャスティン・サリバン氏が撮影した。
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Justin Sullivan / Getty Images

アメリカの西部が干上がりつつある。

ロッキー山脈からアリゾナ州の南部へと流れるコロラド川は、カリフォルニア州や南西部に暮らす4000万人以上の人々の水源だ。しかしこの川の流域は15年近くにわたって干ばつに悩まされており、現在コロラド川の水が急速になくなりつつある。

コロラド川をせき止めたフーバー・ダムによって作られたミード湖は、アメリカ最大の貯水量を誇る貯水池だが、昨年このミード湖の水位が、1930年代の貯水を開始して以来最も低くなった。また、ミード湖に次ぐ第二位の貯水池のパウエル湖は貯水率が45%を下回り、平屋くらいの高さのところに水位が著しく低くなった時に現れる「バスタブの輪」が出現している。

カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は、4月1日に州全域で25%の節水を義務づけると発表。カリフォルニア州の水源であるシエラネバダ山脈で記者会見を行ったブラウン知事は、「ここには、本来なら1メートル50センチの雪がつもっているはずですが、今広がっているのは乾いた草地です」と述べた。

カリフォルニア州が節水を義務化したのは史上初めてのことだ。高原地帯に積もった雪が貯水池を満たしてくれると期待されていたが、現在積雪量はほとんどない

水位が低下したパウエル湖を、ゲッティイメージズの写真家、ジャスティン・サリバン氏が撮影した。かつては豊かな水に沈んでいた一帯が干上がり、使い道のないボート用の桟橋が乾いた土地にたたずんでいる。美しいが、気持ちを暗くさせる写真だ。

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パウエル湖の岩肌に白い「バスタブの輪」が見えている。アメリカ西部の各地が深刻な干ばつに見舞われており、コロラド川流域の2大貯水池、パウエル湖とミード湖に流れこむ水量は平均を下回ると予想されている。現在45%のパウエル湖の貯水量は、9月までに水位が海抜330メートルほどに落ちこむおそれがあり、そうなった場合観測史上最低の水位となる。2015年3月28日、ユタ州で撮影。
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パウエル湖の「バスタブの輪」。2015年3月28日、アリゾナ州ペイジで撮影。
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パウエル湖の「レインボーブリッジ」の下を、水がわずかに流れている。2015年3月28日、ユタ州で撮影。
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パウエル湖の中にある岩「ローンロック」のそばを漂うパドルボーダー。2015年3月29日、ユタ州ビッグウォーター近くで撮影。
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パウエル湖の「バスタブの輪」。2015年3月29日、アリゾナ州ペイジで撮影。
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コロラド川の「ホースシュー・ベンド」(川が蹄鉄(ホースシュー)の形に蛇行している場所)に浮かぶ1艘のボート。2015年3月30日撮影。
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かつてはパウエル湖の底だった岸辺を歩く人たち。2015年3月29日、ローンロック・キャンプ場で撮影。
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以前はパウエル湖の底に沈んでいた一帯が、すっかり干上がっている。3月30日撮影。\n
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パウエル湖から流れる水路が、ほとんど干上がっている。3月30日、ユタ州ビッグウォーター近くで撮影。
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パウエル湖で3月28日に撮影。
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パウエル湖で3月28日に撮影。
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パウエル湖のワーウィープ・マリーナで、岸辺にボート用桟橋がたたずんでいる。3月28日に撮影。
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パウエル湖で3月28日に撮影。
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パウエル湖で3月28日に撮影。
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パウエル湖を上空から3月30日に撮影。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:梅田智世/ガリレオ]

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