求愛行動に関わる神経回路

固定された感覚刺激の行動誘意性に豊かな多様性を生み出す仕組みが明らかになった。
Open Image Modal
PetricaR via Getty Images

求愛儀式は、近縁種間での生殖障壁の強化に役立つが、これに関わる神経回路基盤はほとんど解析されていない。

今回V Rutaたちは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)とオナジショウジョウバエ(D. simulans)という2種のショウジョウバエの雄がどちらも、雌のキイロショウジョウバエが作るフェロモン(7,11-ヘプタコサジエン)を、保存された末梢感覚ニューロンを介して検知することを示している。

しかし、この信号は求愛行動を制御するP1ニューロンへ異なって伝達され、雄のキイロショウジョウバエでは求愛行動が促進されるが、雄のオナジショウジョウバエでは求愛行動が抑制される。

これらの結果から、進化が末梢センサーを保存したまま中枢神経回路に働いて、固定された感覚刺激の行動誘意性に豊かな多様性を生み出す仕組みが明らかになった。

Nature559, 7715

doi: 10.1038/s41586-018-0322-9

【関連記事】

Nature550, 7676 

Nature 498, 7455 

Nature493, 7432 

Nature493, 7431 

Nature438, 7070