米アマゾンが、プライム会員向けに計画しているドローン配達「Prime Air」の新しいコンセプト動画を公開しました。動画ではBBCの人気番組『トップ・ギア』の元 MC で、年間約17億円で Amazon と契約したとされるジェレミー・クラークソンが新コンセプトのドローンを解説します。
動画では、少女がサッカーの練習に行こうとしたら家犬のブル公(仮名)がサッカーシューズの片方を大変なことにしてしまっていた...。でも、Amazon Prime Air なら大丈夫!Kindleタブレットで注文すれば、自宅の庭まで商品を30分以内にお届けにあがります。といった具合に、ジェレミー・クラークソンが軽妙に解説しています。
Prime Air は、重さ5ポンド(約2.3kg)以下の商品を30分以内に届けると謳うサービスです。
公開された新しいドローンは大型化し、飛行機風のデザインに変貌しました。垂直に離着陸できるのは今までどおりですが、また機体後部には水平移動用のプロペラを備え、最高速度約88km/hで飛行が可能。往復可能な距離は約24km。つまり配送ステーションから半径24kmの範囲ならドローン配達が可能となります。
また、以前はむき出しで危険だったローターもフレームに囲まれ、近づく人への安全性も増しているように見えます。
動画を見る限り、このドローンには空中を飛んでいる物体や着陸地点となる標的を自動的に探す能力を備えています。ただ、米国連邦航空局(FAA)はまだドローンの商用利用のための法整備を進めている段階。このため Amazon は現在米国のほか英国、イスラエルで試験フライトおよびドローンの開発を継続しています。
ジェレミー・クラークソンは動画の中で、利用する環境や目的にあわせて何種類ものドローンを開発中だと紹介しています。
ドローンによる商品配達が一歩一歩現実的になるにつれ、日本国内でもいずれ同様の配送サービスが展開されるかもしれないという期待も膨らみます。しかし日本国内では送電線網の地中化がほとんど進んでおらず、これが配達用ドローンにとって最大の問題となることが考えられます。内閣府はドローン実証特区の設定など活用を進める方向で検討をしてはいるものの、国全体のインフラ面でも早めの整備、対応が望まれるところです。
ちなみに、下は配達用ドローンが飛べない地域のため開発中の自走式配達箱 (嘘です)。
(2015年11月30日Engadget日本版「米Amazonが最新のドローン便サービス動画を公開。準備は進むも開始時期はまだ未定」より転載)
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