テスラの自動運転車で初の死亡事故。何が問題だった?

亡くなったのは、テスラのイノベーションを信じている男性だった。
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Tesla Model S P90D

電気自動車メーカーのテスラは6月30日、ウェブサイトで、自動運転機能を搭載した自社の車「モデルS」を使った死亡事故が発生したと発表した。アメリカ運輸当局が、事故の詳しい原因を調査している。テスラによれば、事故は自動運転機能を使った初の死亡事故となる。

事故は5月7日に発生した。「車は、中央分離帯のある幹線道路を自動運転で走っていて、前方で交差点を左折しようとしていた大型トレーラーに衝突した」とテスラは説明している。「後方の空が明るく光っていて、白い色をしたトレーラーの側面をドライバーも自動運転機能も認識しなかった。そのため、ブレーキが作動しなかった」という。

ニューヨークタイムズ紙によれば、亡くなったのはジョシュア・ブラウン氏(40歳)。テクノロジー系のコンサルティング会社を経営していていたブラウン氏を、テスラは「イノベーションとテクノロジーの可能性を信じ、テスラのミッションを理解した人物」と説明している。

ブラウン氏は生前、愛用するテスラで自動運転を試す動画をYouTubeに投稿している。

テスラは、今回の事故は「滅多に起こらない状況下で発生したものだ」と述べている。

同社によると、自動運転だからといって、ドライバーはよそ見をしながら運転していいというわけではない。自動運転は初期設定ではオフになっていて、ドライバーは乗る前に、自動運転機能にどこまで任せられるかを、きちんと把握する必要がある

またモデルSは、運転をする時にはハンドルに手を置くようにも求められている。手を離すと、車はドライバーに警告を発し、徐々に減速するという。

テスラは、自動運転の機能を搭載した車を、2015年に発売を開始した。きちんとドライバーが監視していれば、人間が運転する従来の車より、ずっと安全だと同社は述べている。

テスラ以外の自動車メーカーも、自動運転を搭載した車を次々と発表しているが、今回の事故で、自動運転車に対する規制が強化される可能性も考えられる。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。

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