南シナ海で世界最深の「ブルーホール」を発見 中国が発表(画像)

中国海南省三沙市の研究機関「三沙航迹珊瑚礁保护研究所」は7月30日、南シナ海の西沙(パラセル)諸島沖にある海底の陥没穴「ブルーホール」が世界最深だと発表した。穴の深さは300メートルに及ぶという。
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中国海南省三沙市の海洋研究機関は7月30日、南シナ海のパラセル(西沙)諸島沖にある海底の陥没穴「ブルーホール」が世界最深だと発表した。穴の深さは300メートルに及ぶという。

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「竜の穴」と呼ばれるこのブルーホールは、世界で最も深い「ブルーホール」の可能性があると中国の学者は考えている。

中国国営の新華社によると、竜の穴の深さは987フィート(約300メートル)で、バハマ諸島のディーンズ・ブルーホールより300フィート(約90メートル)深い。

ブルーホールとは海中に存在する巨大な陥没穴で、深さが数百フィート以上の場合もあり、上から見ると特徴的な青い色をしているためにブルーホールと呼ばれる。

「竜の穴」は南シナ海で中国が実効支配するパラセル諸島 (中国名で西沙諸島)に位置している。西沙諸島は他にベトナムや台湾も領有権を主張している。

学者の研究では深さしか判明していないが、このブルーホールの存在自体は数百年前から知られていた。

ワシントン・ポストは、「ここが16世紀の中国の小説『西遊記』に出てくるサルの王様が金の延べ棒を見つけた場所だ」という言い伝えを語る地元の漁師たちを紹介している。

ブルーホールは、科学的にも重要な意味を持っている可能性がある。

中国海洋大学の楊作升教授はCCTVに、「ブルーホールに関する研究によって数万年にわたる気候や水位の変化に関する詳細な情報が判明する可能性があります」と述べた。「データが判明したら、南シナ海の生態系、水文学上の系統や地形変動の変化のパターンを含む気候の変化を推測することができるようになります」

サンゴの保護を目的とする「三沙航迹珊瑚礁保护研究所」は新華社通信に、「この穴で20種類以上の魚をすでに発見しているが、330フィート(約100メートル)より深い場所では酸素がないため、より浅い部分を重点的に調査している」と語った。

測定は深度センサーを搭載したロボットを使用して行われた。

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「竜の穴」の正式名称は三沙永楽竜洞で、現地当局担当者はその保護を行う計画だと話している。

「地球に残された自然遺産の保護に尽力していきます」と、三沙市の馮文海副市長は語った。

現在判明している中ではこの竜の穴が世界最深だが、今後覆される可能性はある。専門家によると、さらに深い穴がある可能性は非常に高く、単に発見されていないだけだという。

「フロリダ近海で私たちの研究のすべてを上空から見てもわからないでしょう」と、フロリダ州サラソータのモート海洋研究所のジム・カルター研究主幹は、クリスチャン・サイエンス・モニターに語った。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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