民主、マニフェストで「未来志向の憲法」掲げる 憲法改正、扱いは小さく【争点:憲法改正】

「未来志向の憲法を構想する」と掲げた民主党マニフェスト、しかしその内容は…
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TOKYO, JAPAN - FEBRUARY 24: (CHINA OUT, SOUTH KOREA OUT) Democratic Party of Japan Banri Kaieda addresses during the DPJ annual convention at a hotel on Februry 27, 2013 in Tokyo, Japan. (Photo by The Asahi Shimbun via Getty Images)
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「未来志向の憲法を構想する」と掲げた民主党マニフェスト、しかしその内容は……。

民主党が25日に発表した参院選政権公約(マニフェスト)は「震災復興・福島再生」、「くらし(経済)」、「いのち(社会保障)」、「みらい(女性・子育て・教育)」、「憲法」、「外交防衛」、「改革」の7分野でつくられている。政策のポイントを説明する漫画も掲載され、海江田代表と思われるキャラクターも登場する。

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そのうち、「憲法」のページでは「日本をどうしたいの?」というテーマで家族が会話する様子が描かれている。

「憲法って学校で習ったけど大事なの?何で変えるの?」という孫からの質問に、祖父母が「戦後レジームを終わらせるとか叫んでいるけどね」と答えている。

しかし、「大事な憲法をそんなに簡単に変えていいのかな。憲法を変える人はどんな考えなの?」という質問には明確な答えがなく、自民党が掲げる憲法第9条「平和主義」や第21条「表現の自由」などの改正案について、「なんか怖いわね」とし、「この子たちの未来をもっと真剣に考えないとね」というありきたりな言葉で締めくくられる。これが民主党の「未来志向」なのか?

■政策説明はわずか半ページ

1ページ丸ごと使った漫画とは対照的に、政策説明に割かれたのは半ページに過ぎない。しかも、3段目に写真が入っていて内容は「基本姿勢」と「改正手続き」に限られる。「基本姿勢」では「現行憲法の諸原則を尊重する」とした上で以下のように説明する。

民主党は、現行憲法の基本理念を具現化し、真の立憲主義を確立するべく、国民とともに「憲法対話」を進め、補うべき点、改めるべき点への議論を深め、未来志向の憲法を構想します。

民主党の重点政策「憲法」

現行憲法の補うべき点や改めるべき点については、自民党が先行して改憲草案を出し、詳しく説明している。厳しい戦いが予想される参院選を前に今から「議論を深める」というのはあまりにのんき過ぎないか。

また、「改正手続き」では「憲法改正の発議に衆参各議員の総議員の3分の2以上の賛成を必要とする考え方には合理性がある」とし、改正手続きの要件緩和を先行させることは「立憲主義の本旨に照らして反対」と主張。ここでは「合理性がある」とか「立憲主義の本旨に照らして」などの言葉を使うことで、民主党の憲法改正への姿勢をあいまいにしているようにも思える。

東京都議選で議席を倍増させ、都議会で民主党を抜いて野党第1党となった共産党は民主党マニフェストを以下のように批判している。

憲法96条改定については「『96条の先行改正』には反対」としました。96条の改定については反対せず、「未来志向の憲法を構想」として改憲積極姿勢をアピールしています。

(日本共産党 「民主、改憲姿勢アピール」 2013/06/26)

都議選で共産党が大躍進した理由は、非自民・反自民だが民主党にも期待できない有権者たちの受け皿になったことも一因だという。明確な政策目標を打ち出せない民主党を見限り、立場がはっきりしている共産党に票が流れたのだろうか。

「未来志向」という言葉を辞書で調べると「未来に目標を定め向かうこと」とある。民主党は玉虫色の言葉でお茶を濁すのをやめ、前政権与党らしく堂々と、独自の現行憲法の改善点を示してはどうか。

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