同人誌などの二次創作を許諾する「同人マーク」が、8月28日から導入された。漫画家の赤松健さんが、同日発売の「週刊少年マガジン」でスタートした新連載『UQ HOLDER!』の扉ページで初めて使用した。同人マークが考案された背景には、TPPに日本が参加することへの漫画業界の危機感がある。
これまで日本では著作権侵害は「親告罪」となっていた。著作権者の告訴がなければ、警察や検察が動くことができない。しかし、TPPに日本が参加することで、著作権のルールが変更されて「非親告罪」となった場合、著作権者の告訴がなくても警察の独自判断で摘発できるようになる。そのため「コミケなどで売られている同人誌などがどんどん検挙される恐れがある」と指摘されている。
そこで、もし「親告罪」とされた場合に備えて考案されたのが、同人マークだ。これは、作者が自分の作品について「第三者による二次創作同人誌の配布を同人誌即売会で行うことを認める」というもので、NPO法人の「コモンスフィア」が今年7月からデザインを募集し、8月16日に決定した。コモンスフィアの発表によると以下のマークになっている。
「かすり」氏の応募作品で、創作の意味のペン先とOKの意味の丸を組み合わせたシンプルなデザインとなっている。同団体では、同人マークを定める理由を以下のように書いている。
日本のTPP(環太平洋連携協定)への参加により著作権侵害が非親告罪化される可能性が懸念を呼んでいます。これ自体注視が必要な反面、作家が作品にこのマークを表示すれば、ファンはその作品についてはコミックマーケットなどの同人誌即売会において二次創作同人誌をより安心して販売することが可能になります。
同人マークの詳しい利用規程は「同人マーク・ライセンス 1.0」のページで公開されている。
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