ドーナツの砂糖を覚せい剤と勘違い、逮捕された男性が市と薬物検査キット製造元を訴える

砂糖がけのドーナツはとてもおいしい。そして、クリスタル・メスとは明らかに別物だ。

フロリダ在住の男性ダニエル・ラッシングさんは2015年12月、交通違反の取り締まりで警察の尋問を受けた時、車の床に落ちていたドーナツの砂糖の粉が、覚せい剤と間違えられたために10時間拘束されたとして、オーランド市と薬物検査キットの製造会社を訴えた。

地元紙「オーランド・センティネル」によると、ラッシングさんは1万5000ドル(約156万円)の損害賠償請求を起こしている。

ラッシングさんは、「尋問したシェルビー・リッグスホプキン巡査らは、車にあったクリスピー・クリーム・ドーナツの砂糖と、覚せい剤のクリスタル・メスは違うものだということを知っていて当然だった」と訴えている。

「私は、ずっと彼らに『それはドーナツの砂糖だ』と伝えていました」と、ラッシングさんは7月、オーランド・センティネルに語っている。「彼らは最初、これはクラック・コカインだと言っていましたが、そのあと『違うな、これは覚せい剤のクリスタル・メスだ』と言いました」

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クリスタル・メス

警官がべたべたする白い粉末に気付いたのは、ラッシング氏の車を交通違反で止めた後だった。道路わきでサファリランド社製の検査キットを使って薬物検査を2回行ったら、この甘いサンプルが覚せい剤メタンフェタミンを含むと反応した。

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つやつやとした砂糖がけのドーナツはとてもおいしい。そして、クリスタル・メスとは明らかに別物だ。

ラッシングさんは火器と覚せい剤所持の罪で逮捕された。彼は約10時間後に保釈金2500ドル(約26万円)で釈放された。

しかしその数週間後、州の鑑識が行った更なる検査の結果、薬物サンプルだと疑われていたものは「規制物質ではなかった」ことが明らかになったと、オーランド市警のワンダ・フォード巡査部長が7月にハフポストUS版に語った。ラッシングさんに対する告訴は取り下げられた。

「何もしていないのに勾留されるのは、ぞっとするものです」と、ラッシング氏はWFTVに話した。

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ラッシングさんは、オーランド市警と、警察の路上薬物検査キットの製造会社を訴えている。

プロパブリカとニューヨーク・タイムズ紙の最近の調査によると、路上薬物検査で誤った陽性判定が出て、毎年数千件の不当な有罪判決が下されているという。

オーランド市警は、「抗争中の訴訟についてコメントしない」と話した。ハフポストUS版は薬物検査キットのメーカー、サファリランド社の代理人にコメントを求めたが、回答はなかった。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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