2重マスクは感染防止に効果がある。N95マスクが手に入らない時はどうすればいい?専門家に聞いた

マスクを2枚重ねると感染防止効果が上がるという研究結果をCDCが発表。効果的な2重マスクの方法をまとめました
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オミクロン株などが原因で新型コロナウイルスの感染が急拡大している今、マスクの効果的なつけ方が、改めて重要になっている。 

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は2021年2月、マスクを2枚重ねると、1枚よりも新型コロナウイルス感染を防げるという研究結果を発表した。

この時の実験では、サージカルマスクのような医療用マスクの上に一般的なマスクをつけると、新型コロナウイルス感染防止の効果が大幅に上がった。

変異ウイルスは、従来のウイルスより細胞に感染しやすいと言われている。 

そのため、なるべく多くの層、つまりマスク2枚で鼻や口を覆った方が、ウイルスの粒子にさらされにくく、感染がより防ぎやすくなる可能性がある。

マスクを2枚重ねる時、どんな点に気をつければいいのだろうか。効果的な着用方法などを専門家に聞いた。

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十分な層と飛沫拡散効果があるマスク2枚を選ぶ

「層が多ければ多いほど、ウイルスとの間のバリアが増えるので効果的です」と話すのは、インディアナ大学で伝染病学を教えるトーマス・ディズィンスキー氏だ。

最も効果があると言われているのは、医療従事者らが使うN95マスクだ。N95マスクとサージカルマスクとあわせて着用すれば、かなり飛沫を防げるだろう。

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N95マスク

しかしN95マスクの供給は限られており、入手が難しい場合もある。

イエール大学の感染症専門家で、ファイザー社の新型コロナウイルスワクチン臨床試験の研究責任者を務めたオニヤマ・オブアーグ博士は、そういった場合は「一般的なマスクやサージカルマスクをどう効果的に使うかが重要になる」と話す。

オブアーグ氏が注目する2つのマスク機能は、フィルター性能と息のしやすさだ。高いフィルター性能によって吸い込む空気内に含まれる飛沫量を減らしながら、吐き出す飛沫の拡散量も減らしたい。

N95は医療従事者用に使われるマスクだが、医療現場以外でN95に代わるマスクと言われているのがKN95マスクだ。

N95ほどの高い効果はないものの(N95よりも効果の高いマスクはほとんどない)、KN95マスクできちんと鼻と口を覆えば、かなりの防御効果が期待できる。

サージカルマスクにも飛沫を防止する高い効果があるが、顔に完全にぴったり装着されないため、飛沫を確実に防ぐのは難しい。サージカルマスクと顔の間に隙間がある時には、紐を結ぶなどしてぴったりと顔につくよう調整しよう。

 
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最初にフィルター性能の高いマスクをする

マスクを2枚着ける時には、N95やKN95やサージカルマスクのようなフィルター性能の高いマスクを最初に着用しよう。

その時に大切なのは、マスクが顔にぴったりつくようにすることだ。ウイルスが顔の両サイドから入ってくるのを防ぐために、マスクと顔の間にギャップを作らないようにしたい。

布マスクの中には飛沫防止効果が低いものもあることがわかっている。そのため、2枚目のマスクにはバンダナなどは避け、複数層構造の布マスクか別のサージカルマスクをつけよう。

一般的に、層が多ければ多いほど飛沫防止効果がある研究から、複数層構造のマスクは50〜70%の飛沫をブロックするということがわかっている。布マスクの場合は織目がきつい3層のものがいいとされている。

ディズィンスキー氏は「層が多ければ多いほど、拡散させるウイルスの量と吸い込む空気に入ってくる粒子の量は少なくなります」と話す。室内であっても、他の人がいるときには2重マスクするよう同氏は勧めている。 

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呼吸しやすく、排気弁のついていないマスクを選ぼう

オブアーグ氏が指摘するもう一つのポイントは、呼吸しやすいマスクを選ぶこと。素材によっては呼吸がしづらいマスクもある。

「マスクを10枚することもできますが、呼吸ができなくなります。フィルター効果を求めすぎて、やりすぎるということになってしまいます」と、オブアーグ氏は話す。

一定の素材(ビニールなど)で作られたマスクだと呼吸が苦しくなる。呼吸ができないマスクはつけたくなくなるだろう。

ディズィンスキー氏は、排気弁のついていないマスクを勧める。排気弁付きマスクは、ウイルスの侵入だけではなく拡散も可能にするからだ。マスクを2枚する場合でも、排気弁付きマスクは避けた方がいいと同氏は言う。

マスク選びに迷った時は、顔の両側にぴったりくっついて口と鼻を完全に覆うマスクを選ぼう。

「それが効果的だということは科学的にはっきりと明らかになっています」とディズィンスキー氏は強調する。

2重マスクは、自分自身だけではなく周りの人を守る助けになる。

※この記事は、情報を更新しています。専門家たちは新型コロナウイルスの研究や調査を続けています。この記事は現時点でわかっている情報をもとに書かれており、新たな発見などで情報が更新されればガイドラインが変わる可能性があります。アメリカの疾病管理予防センター(CDC)による最新情報はこちら(英語)。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。