ウクライナ東部のドネツクで、政府庁舎などを占拠し「ドネツク人民共和国」の創設を宣言した親ロシア派勢力は14日、地域一帯を掌握する意向を示した。
トゥルチノフ大統領代行は前日、国民に向けた演説で、行政庁舎を占拠している武装勢力が現地時間14日午前9時までに武装解除を行わければ「大規模な対テロ作戦を実施する」と表明。
親ロシア派勢力が退去期限を守らなかったことを受け、この日、同勢力が武装解除に応じなければ対テロ作戦の一環として軍も投入した強制排除に踏み切る方針を示すなど、緊張が高まっている。
ドネツクでは退去期限が過ぎた後も、約20人を超える親ロシア派の指導者が過去8日間にわたり占拠している建物で戦略会議を開催。親ロシア派勢力の指導部の1人、ウラジーミル・マコビッチ氏は、「われわれは、下水道から空港、鉄道の駅舎、軍隊に至るまで掌握する」と述べた。
ドネツクで政府庁舎などを占拠している勢力のなかには、直ちにロシアに編入するのではなく、ウクライナ国内にとどまり、より大きな自治権を要求することを主張する一派もいる。
ただ、「ドネツク人民共和国」の指導者を名乗るデニス・プシリン氏は、「5月25日の大統領選挙は確実に実施されない」と述べるなど混乱は収拾に向かっていない。
重工業が集中するドネツク州の人口は430万人。ウクライナ全体の10%を占める。
[ドネツク(ウクライナ) 14日 ロイター]
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