「水商売の人は本なんて読まないでしょ」。
そんな風に思っている方、多いのではないでしょうか。
実際、250人ほどいる僕の部下たちも『ドラゴンボール』や『ワンピース』を読むぐらいで、読書とは程遠い生活をしています。
本を買うお金があったら、ハイボール1杯多く飲むし、 本を読む時間があったら、お客様にLINEやメールを打った方がいい。それが現実です。
でも、これからのホストは、これからの水商売は、これからのサービス業は、それではいけない。と、僕は思うんです。
本を読んで、地理や歴史を知って、いろんな人の気持ちを覗き見して、教養をつけなきゃいけません。
数年前からSNSも普及して、ホストも自己プロデュースをしないといけない時代に突入しました。
その結果…底が浅いヤツはすぐバレる!
そこで僕はある時、こう思ったのです。
歌舞伎町には、教養が必要だ!
決めたら早いのが僕のいいところで、2017年の秋、会社の事務所の1階に「歌舞伎町ブックセンター」という本屋をオープンしました。
それから、従業員のホストたちと読書会や歌会を開いて、その様子をSNSに投稿しました。 このたび、『裏・読書』という、名著をちょっと裏側から読み解いた書評本を出版しました。
どれもこれも、歌舞伎町に読書の文化を持ち込み、歌舞伎町をもっと、愛と教養溢れる街にするための挑戦です。
歌舞伎町はアップデートできるのか…?
さて、前置きが長くなりましたが、この夢に向かって、僕は次のチャレンジをします。 それは、歌舞伎町ホストクラブで、皆さんを招いて読書会を開くこと。
いつまでもホストだけの閉じた場で読書会をやっていてもダメだ。 歌舞伎町の“外”にいる方々に、遊びにきてもらえるようにならないと。
そう思うんです。
普段、酒を飲んだりおしゃべりしに行ったりするホストクラブに集まって、本や読書体験について語り合いたい。
シャンデリアやふかふかソファーのある場所でまじめな話なんてちょっと気恥ずかしいし、誰も集まってくれないかも、という不安もありますが、 一人でもお客さんが来てくだされば僕はやろうと思います。
みんなで『ノルウェイの森』を読もう。
課題本は、『裏・読書』の中でも紹介した、村上春樹さんの『ノルウェイの森』です。
1969年を生きる男子大学生のワタナベが、自殺した親友やその恋人たちとの交流を通して、愛や死と向き合うストーリー。
文庫と合わせて累計1000万部を超す大ベストセラーは、この平成の終わりにこそ、改めて読むべき本だと思います。
部下たちには「主人公のワタナベみたいになれ」と言って手渡しています。
堅苦しい読書会ではなく、『ノルウェイの森』を出発点にして、みんなでゆるゆると読書の愉しみを共有できる時間にしたいと思っています。
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ホストクラブなんて縁がなかったけど、読書は好きだよ、って方。
しばらく本を読んでないけどきっかけが欲しかった、って方。
ホストクラブを一度は覗いてみようかな、って方。
ぜひ僕の夢を叶えるために、ふらっと立ち寄っていただけたら嬉しいです。
【開催概要】
●日時:5月17日(金) 19時〜20時15分(開場18:30)
●場所:スマッパ・ハンス・アクセル・フォン・フェルセン(東京都新宿区歌舞伎町2-28-15 サチビル地下1階)
●定員:約20名
●参加費:3000円(僕の新刊『裏・読書』をプレゼントします。また、飲み物をご用意しております。※ノンアルコール)
●参加にあたって:必須ではありませんが『ノルウェイの森』を事前に読み、当日、本を持参いただくことを推奨いたします。
●応募方法:こちらの応募フォームより必要事項をご記入の上、ご応募ください。
●応募締め切り:5月9日(木)18時
東京にも「地元愛」はある。
最後に、今回のチャレンジを通じて僕には嬉しい気づきがありました。
「新宿から生まれた著者を応援したい」と、紀伊國屋書店新宿本店さんで『裏・読書』フェアをしていただくことになったのです。
本の中で紹介した13冊の名著とともに、恥ずかしそうに『裏・読書』が並んでいます。紀伊國屋さんでこんな風に大きく置いていただけるなんて、本当に歌舞伎町民冥利に尽きます。
埼玉から東京にでてきて20年あまりーー。
全国からいろんな人が集まってくる東京という場所には「地元愛」とか「ローカル感」なんてないと思っていました。ましてや新宿なんて…。
でも今こうして、新宿育ちの僕が、新宿の書店さんに応援していただけているその事実に、どこにだって地元愛はあると気づかされました。
フェアは紀伊國屋書店新宿本店2階で5月25日まで開催される予定だそうです。もし新宿に立ち寄られた方がいらっしゃったら、ぜひ立ち寄っていただけたら嬉しいです。
宣伝で、ごめんなさい!(笑)