仕事に没頭する人々の姿は、どんな国でも美しい【画像集】

世界の様々な場所で仕事を行う人たちを写し出す写真コンテストの受賞作品が発表された。世界79カ国から寄せられた1万1500の応募作品は、都市の生活を驚くほど美しく誰もが思いつきもしなかった視点からとらえている。
Open Image Modal
Open Image Modal

「魚市場」。インドのコルカタ北部にある路上の魚市場で、サウマリャ・ゴーシュが撮影。

ある人にとって、「仕事へ行く」というのは、スーツを着てビジネスバッグをつかみ、列車に乗ることを意味する。別の人にとっては、日あたりのいい路上で、上半身裸の客にマッサージを施すことだったり、人で溢れかえる市場で、魚を仕分けして籠に入れることだったりする。

世界のさまざまな場所で、さまざまな仕事を行う人たちをあざやかに写し出す、写真コンテストの受賞作品が発表された。CBRE社が主催する写真コンテスト「アーバン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」。2014年のテーマ「仕事をする都市」に対して、世界79カ国から1万1500の応募作品が寄せられた。

大賞を受賞した作品「社会の仮面」は、ドイツの写真家マリウス・フィート氏が、展示ケースの宝飾品を並べる女性を撮影したものだ。作業する女性の顔と、すぐ隣に吊り下げられた華麗な仮面が奇妙な対照をなしている。

Open Image Modal

「社会の仮面」。ドイツ、デュッセルドルフでマリウス・フィートが撮影。

「フィート氏の作品は、人が細部にまで集中して作業に没頭している瞬間を完璧にとらえている」と評するのは、CBRE社ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)部門のCEOを務めるマーティン・サムワース氏。「慌ただしい都会の中で行われている、静かで精密な仕事をとらえた作品だ」。

CBRE社は、ロサンジェルスを本拠とする世界的な不動産・投資企業であり、都市をテーマにした写真コンテストを毎年主催してきた。日常的に行われている仕事を、驚くほど美しいシーンに変えたこれらの作品は、都市の生活を、誰もが思いつきもしなかった視点からとらえている。

「最終列車」。総武線の終電が発車するところ。東京で、カナダ人のクリス・ジョンキンが撮影。
夜更けのディナー」。東京南部にある大井町のお好みやき屋で撮影された、スーツ姿のふたり連れ。カナダ人のクリス・ジョンキンが撮影。
「眠りにつく遊園地」。夜になると、ハムステッド・ヒース遊園地の遊具たちは、まるで毛布にくるまれる子どものように、シートに包まれる。「どんなものにも終わりが来る」ことを示す作品だ。ロンドンで、ガブリエル・ラーマーが撮影。
「手術をする外科医や看護婦たち」。大都市の外科医は24時間スタンバイしていなければならない。ポーランド、ルブリンで、マレク・スタンキヴィッチが撮影。
「都市の幾何学」。ドイツ、デュッセルドルフでマリウス・フィートが撮影。
「ロバと迎える夜明け」。トルコのマルディン旧市街では、毎朝、ロバの首についたベルの音で目が覚める。街路を清掃する市職員がゴミを運ばせているのだ(旧市街は狭い路地がほとんどなので、クルマが入れず、荷物の運搬等にロバが使われている)。インド在住のソメナス・ムコパディヤイが撮影。
「路地でひと仕事」。レストランのシェフが閉店時間中に、メニューか勤務表を書いているのだろう。イギリス、マンチェスターで、ロス・マグラスが撮影。
北朝鮮、平壌の「朝」。香港在住のシンビー・ヤンが撮影。
「朝のマッサージ」。インド、コルカタで、アルナヴァ・ボウミクが撮影。
「網に囲まれた老人」。商品である「魚網」を黙々と直す、雑貨屋の老人。カタール、ドーハのオールド・スークで、フィリピン在住のメアリー・グレース・モンティヴスが撮影。
「アビー・ロード」。広告用のコスチュームを着た男性が、中央広場へ向かう。クロアチアのオシエクで、イヴァナ・ヘングルが撮影。
「下水労働者」。インド、コルカタで、スジャン・サルカルが撮影。
「昼寝」。北京中心部の静かな街路で、客を待つ人力車の運転手たちが昼寝をしている。ハンガリー在住のアーロン・シュヴェグが撮影。
「緊張」。職場ではときに、緊張の局面が生まれることがある。このシーンでは、音楽が背景になっている。イタリアのヴェネツィアで、イギリス在住のデレク・ロバートソンが撮影。
「スリを逮捕!」。ポルトガルのリスボンで、カルロス・ダ・コスタ・ブランコが撮影。
「パン屋」。釣り銭を調べながらパン屋を出るおばあさん。ポルトガルの首都リスボンで、ルイス・サルヴァドが撮影。
「シンメトリー」。スペイン領グラン・カナリア島にある都市「ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア」で、アントニオ・ヘルナンデス・サンタナが撮影。\n
「ビジネスマンたち」。スコットランドのグラスゴーで、ロス・マグラスが撮影。
「展覧会」。「カサ・ド・カビルド」(聖堂参事会会議場)で開かれた写真博覧会のオープニング。スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」で、マニュエル・パス-カスタニャールが撮影。
「トリミング」。日本の横浜で、タダシ・オオニシが撮影。
「市場の喧騒」。モロッコのマラケシュ旧市街にある「ジャマ・エル・フナ・広場」は、夜になるとさらに活気づく。イギリス在住のニコラ・ヤングが撮影。
「クリスマス・トラム」。ドナウ川の河畔を、クリスマス用に装飾されたトラム(路面電車)が走る。ハンガリーのブダペストで、サボルチ・シモーが撮影
「遅番」。イギリスのロンドンで、リトアニア在住のイマンタス・セレニスが撮影。
「緩衝地帯」。アメリカのロサンゼルスで、ジョハンナ・シーグマンが撮影。南北アメリカ地域最優秀賞。
「網を繕う」。ヴェトナムのバクリエウにある魚網工場で、リー・ホアン・ロンが撮影。アジア太平洋地域最優秀賞。
「路上でダンス」。ポルトガルのリスボンで、カルロス・ダ・コスタ・ブランコが撮影。EMEA地域最優秀賞。
「遠くにあるシルエット」。イタリアのヴェネツィアで、アメリカ在住のサラ・スカボローが撮影。

この記事は最初にハフポストUS版に掲載されたものです。

[日本語版:梅田智世、合原弘子/ガリレオ]

【関連記事】

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています