「DiDi(ディーディー)」というスマホアプリをご存じだろうか。
DiDiは、中国版Uberといえる配車アプリ「滴滴出行(ディーディーチューシン)」の日本版。滴滴出行とソフトバンクが共同出資して立ち上げた「DiDiモビリティジャパン」は、大阪府内で利用者が順調に増加していることを受けて、近く都内にも進出する考えを明らかにした。
■大阪で「毎月2倍以上の成長」
「滴滴出行」は世界で5億5千万人が登録する配車アプリの最大手だ。アプリを起動して、自分の現在地と行きたい場所を入力すると、付近を走っているタクシーや自家用車をシェアしているドライバーとのマッチングをしてくれる。
運賃の決済もアプリに紐付けされた電子マネーで行えるなど、手軽さと便利さが人気を呼んでいる。
「DiDiモビリティジャパン」はその「滴滴」とソフトバンクが共同で出資して2018年6月に設立した日本法人で、9月27日に大阪でサービスを開始した。利用者数は公表していないものの、「利用者数は毎月2倍以上に増えている」と出だしは好調だ。
同様の機能を持つアプリには、すでに47都道府県を網羅している「JapanTaxi」などがあるが、DiDiはユーザーが初めて登録すると最大で2500円分のクーポンを獲得できるほか、一定期間中、何度乗車しても運賃が半額になるキャンペーンなどをこまめに打ち出し、顧客拡大を図ってきた。
中国でアプリを使用している中国人観光客が、日本でもそのままタクシーを呼べ、「アリペイ」などのスマホ決済を通じて人民元で支払いができることも追い風となったという。
さらに、タクシー会社側にも、ユーザーの情報が送られてくるタブレット端末を無料で貸し出すなど、参入促進を進めてきた。こうした企業努力で、これまでに大阪に営業所を持つタクシー事業者25社、車両にして1700台がDiDiのシステムを導入している。
■「こっそり試験中」次は東京進出へ
DiDiは正式に公表こそしていないものの、東京進出を見越して市場調査を行なっている。実際に東京・千代田区でDiDiを起動してみると、タクシーのマークが複数画面上に現れた。
さらに暫くすると「こっそり東京で試験中です」という表示まで出現し、本格展開に向けた意見を求められた。
DiDiの広報担当者は2月5日、ハフポスト日本版の取材に対し、具体的な時期については明かさなかったものの、「次は東京進出を考えています」と認めている。