ロシアのサイバー攻撃を仕掛けるスパイ集団が、デンマーク国防省職員のメールを2年間ハッキングしていたと、デンマーク国防省が発表した。
クラウス・ヨルト・フレデリクセン国防相は4月23日、デンマークの新聞「Berlingske」のインタビューで、"ファンシー・ベアー"として知られるロシアのハッカーグループ「ATP28」が、2015〜16年に国防省の職員のメールにアクセスしたと語った。機密情報には侵入されなかったが、フレデリクセン氏はハッキングを深刻にとらえている。
「ロシア政府の情報機関や中央省庁にリンクしています。彼らを寄せ付けないために、絶え間なく闘い続けているのです」と、フレデリクセン氏は答えた。
アメリカの情報機関当局者はATP28を、ロシア政府が直接関わっていないにしても、接点はあると考える。当局者は同じグループが民主党全国委員会(DNC)をハッキングし、2016年のアメリカ大統領選に介入を試みたとみている。
デンマーク国防省はロイター通信に、フレデリクセン大臣の発言内容を認めたが、それ以上の言及はしなかった。ロシア政府はロイター通信にコメントを求められたが、回答していない。
2016年にデンマーク国防情報機関が「国家危機評価報告書」を発表した後、フレデリクセン氏は2017年1月、ロシアのサイバー攻撃の可能性を警告した。報告書にはロシアは明記されていなかったが、デンマークでは「外国政府」によるサイバー犯罪とサイバー攻撃のリスクが高まっている」と指摘していた。
ロシア政府は、アメリカへの攻撃と同じ方法で、「我々の民主的プロセスに関与する」可能性があると、フレデリクセン大臣は2017年初めに語った。
フレデリクセン大臣は、国防省はハッキングに対応するため、メールとネットのセキュリティを強化すべきだと述べた。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。