「サンタクロースはグリーンランドに住んでいます!」 デンマーク大使館のイェンセンさんに聞く世界サンタクロース会議とは

ある日、ハフポスト日本版編集部に「サンタクロースはグリーンランドに住んでいます」と題した1通のメールが届いた。
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デンマーク大使館

ある日、ハフポスト日本版編集部に「サンタクロースはグリーンランドに住んでいます」と題した1通のメールが届いた。

先日のフィンたんのインタビューを拝見いたしました。

勘違いされないように、言わせていただきます。サンタクロースはデンマーク王国のグリーンランドに住んでいます。

このメールが届いたのは「サンタクロースにはスパイもいる!? フィンたんに聞く伝統的なフィンランドのクリスマスとは」という記事を掲載した翌日。差出人の名前は、イェンス・イェンセン。デンマーク大使館の広報官だった。

その日、デンマーク大使館は、Twitterでも”本物”のサンタクロースについてツイートしていた。

デンマーク大使館によれば、サンタクロースはグリーンランドに住んでいるらしい。日本の私たちは、サンタクロースは“北欧”に住んでいると思っているが、北欧のデンマークとフィンランドは、サンタクロースの住む地をめぐってそれぞれ異なる見解を持っていることがわかった。

こうして、サンタクロースをさまざまな見地から紹介するべく、ハフポスト日本版編集部は、デンマーク大使館のイェンセンさんを訪ねた——。

イェンセンさん(写真)は、にこやかに出迎えてくれた。大使館で広報官として仕事をする一方、執筆や講演活動を通じてデンマークの文化やライフスタイルを日本に発信しているイェンセンさん。なんと『イェンセン家のクリスマス』という本まで出版しているという。「日本に住んで、もう11年になるかな」と流暢な日本語で教えてくれた。そんなイェンセンさんに、デンマークのサンタクロースやクリスマスの文化を訊ねた。

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■サンタクロースは、グリーランドのイルリサットに住んでいる

——早速ですが、サンタクロースがグリーンランドに住んでいるというのは本当でしょうか?

本当ですよ。本物のサンタクロースは、デンマークのグリーンランドにいます。グリーンランド自治政府によると、最近は西岸中部のイルリサットという街に住んでいるようです。

イルリサットには、世界最大のポスト「サンタポスト」(写真)があるんですが、僕たちデンマーク人は、大人も子供も毎年サンタクロースに手紙を送ります。ちゃんと返事が届くんですよ。

世界中の子供たちからも、手紙が送られてきます。封筒に英語やデンマーク語で、「Santa Claus, Greenland」と書くだけで、このサンタポストに届けられます。

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■世界サンタクロース会議でサンタクロースたちが居住地を議論

——サンタクロースはフィンランドに住んでいるという説もありますが、デンマークの人たちは、どのように考えているのでしょうか?

うーん、それ嘘だと思いますよ(笑)。サンタクロースはグリーンランドに住んでいますからね。

じつは数年前に、毎年7月に開催される「世界サンタクロース会議」で、世界各国から集まった公認サンタクロースたちが「本当のサンタは、どこに住んでいるか」について話し合ったそうです。サンタクロースが住んでいるのは、グリーンランドなのか、フィンランドなのかは大事な問題ですからね。

その会議では「サンタクロースは、グリーンランドに住んでいる」という結論が出されたそうですよ。世界中の公認サンタクロースが、グリーンランドに住んでいると認定したのです。

■認定サンタクロースは本当のサンタクロースを応援する存在

——世界サンタクロース会議とは何でしょうか。公認サンタクロースは、本物のサンタクロースとはどう違うのでしょうか?

世界サンタクロース会議」(写真)は、真夏の7月にコペンハーゲンで開催されます。デンマークサンタクロース会議が主催していて、サンタクロース試験に合格した認定サンタクロースが、世界中から約120人も勢ぞろいします。子供たちがサンタと触れ合える、とても楽しいイベントですよ。

日本のパラダイス山元さんをはじめ、アイルランド、カナダ、イタリア、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、スペイン、アメリカ……など、世界各国から認定サンタクロースが集まります。もちろんグリーンランドの代表者もいます。

本当のサンタクロースは、永遠の命を持つ聖人ですから、公認サンタクロースは、正確にはサンタクロースではありません。サンタの真似をした人間のサンタクロースです(笑)。本当のサンタクロースを応援する存在ですね。

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——デンマークの人たちにとって、サンタクロースとはどんな存在でしょうか。本当のサンタクロースに会うことはできますか?

私たちは、本当にサンタクロースがいると信じています。デンマークには、小さな妖精ニッセ(写真)が家々を守ってくれているという言い伝えがあるんですが、このニッセが本当のサンタクロースと私たちの橋渡しをしてくれています。

ニッセは、ふだんは緑の帽子をかぶり屋根裏などに隠れているんですが、12月になると、赤い帽子をかぶってグリーンランドへ行って、プレゼントの準備で忙しいサンタクロースの手伝いをするんです。そして、子供たちにプレゼントを届けるのもニッセの仕事。いい子にしていると、家のクリスマス・ツリーの根元にプレゼントが届けてくれます。

私たちは、実際に本当のサンタクロースに会うことはできません。本当のサンタクロースは、グリーンランドから世界中のみんなを見守る存在なのです。

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——デンマークの人たちの、クリスマスの過ごし方を教えてください。

デンマークでは、12月はサンタクロースの月と書きます。12月1日から25日まで、毎日カウントダウンしながら子供たちと一緒にクリスマスの準備をします。日本のお正月のような、家族の絆を深めるイベントです。

クリスマスが近づくと、本物のもみの木のツリーを飾ります。「小イヴ」と呼ばれる23日の夜には、伝統料理ミルク・ポレッジ(粥)を食べます。そしてクリスマス・イヴの定番料理は、キャラメルポテトや、赤キャベツの酢漬け、そしてメインに鴨の丸焼き(写真)。ご飯を食べながら、祖父母や子供たちも、お互いにプレゼントを送り合い、家族みんなで楽しいひとときを過ごします。

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(左)ミルク・ポレッジ(中)鴨の丸焼き(右)赤キャベツの酢漬け

——最後の質問です。イェンセンさんは、サンタクロースに会ったことがありますか?

僕は、小さかった頃に3〜4回、サンタクロースに会ったことがあります。夕方になると、玄関のベルを鳴らしてプレゼントを届けると一瞬で姿を消しました。あれはきっと、近所のお父さんがサンタに扮していたのでしょう。

本物のサンタクロースに、会うことはできないのです。グリーンランドにいますからね。

※イェンセンさんは、グリーンランドに本当のサンタクロースがいると語っています。あなたは、サンタクロースは、どこにいると思いますか? ご意見をお聞かせください 

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