母と息子が、突然この世を去ったパパと一緒に写った「家族写真」

2014年7月、シエラ・シャリーさんは男の子をお腹に宿していた。そのとき、妊娠8カ月。シエラさんと夫のレーン・スミスさんは第一子の誕生に胸を躍らせていた。
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2014年7月、シエラ・シャリーさんは男の子をお腹に宿していた。そのとき、妊娠8カ月。シエラさんと夫のレーン・スミスさんは第一子の誕生に胸を躍らせていた。

しかし、レーンさんは転倒して頭に受けた傷のせいで突然この世を去った。

2週間後、シエラさんは息子のタオスくんを産んだ。彼が6カ月になった時、シエラさんは2人の写真を撮って、夫の姿をそこに入れようと思った。彼女は写真家のカイリ・ヘンリーさんに連絡を取った。カイリさんは写真を撮り、スミスさんが一緒に写るように編集した。

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カイリさんはハフポストUS版に対し次のように語った。「いつもの仕事と同じように写真撮影を行いました。撮影が終わって初めて、スミスさんが亡くなったことを聞いたんです」

「夫と2人の子供を持つ母親として、夫を失うなんてとても考えられません」。カイリさんは言った。「この写真を編集していたときも、私はただ自分の仕事を果たしているだけでした。私が感極まったのは、編集を終えて、シエラの反応を見た時でした」

カイリさんは、写真をシエラさんのストーリーと共にFacebookにシェアした。それはネット上で急速に広まった

先日、私は新しいお客さんに会うことになりました。生後6カ月の小さな男の子のために撮影をする予約でした。私と会うとすぐにタオスくんは笑顔を見せ、ついこっちも微笑んでしまいました。

この最高に幸せそうな男の子の赤ちゃんは、一瞬にして私の心を捉えました。私は、お客さんから、「初めての家族写真を撮影するために『いろいろとやってみる』つもりがありますか」と尋ねられました。聞くと、タオスのお父さんの画像も入れて、1枚の画像にしてほしいというのです。私はそのアイデアを持ちかけられる前からいろいろ考えていましたが、うまくいくかどうかは分かりませんでした。きれいにできて本当に良かったです。彼らは永遠にこの写真を大切にしてくれるでしょう。シエラとレーンのストーリーです...。

「ご存知のない方のために、私のストーリーをシェアします。

レーンと私は、赤ちゃんができたことを2014年のはじめに知りました。私たちはとてもワクワクしていました! 子どもを持てるというだけで、レーンは世界で一番幸せな人間になったと思います。私たちは他の新米の親と同じようにちょっと不安でしたが、一緒に冒険をする準備ができていました。

妊娠8カ月頃だった7月上旬、私たちはレーンのいとこをサポートするためにエルレノで行われるジェットボート・レースに行くことに決めました。家族の側にいること、これはレーンが何よりも大切にしていたことです。時間が遅くなり、暑かったので、私は家に帰ることにしました。その日レーンと別れた時、彼を目にするのはそれが最後になるとは全く思いませんでした。

午前2時半頃、事故があったとベイリー(レーンのいとこのガールフレンド)から電話がありました。気分が暗くなって、彼のことが心配になりました。彼女は、レーンはオクラホマシティの大学病院に運ばれたと言いました。頭から転落したので念のため検査をするというのです。私は寝ていた母を起こし、オクラホマシティに向かいました。彼の命が危険な状態であるとは全く思っていませんでした。

病院に着き、私は彼の兄弟たちと合流しました。彼は緊急治療室にいたのですが、彼らもレーンの状態については特に何も聞かされていないと知らされました。ある女性が現在の状況について何か伝えようと外に出てきたのですが、私の母が看護婦だと知ると、彼女は母を脇へ連れ出しました。その瞬間、私は何かがあったんだと察しました。母は私の所に歩いてきて、泣き始めました。私も怯えてしまいました。

結局、私たちは落ち着いて座るために別の部屋に通されました。そこで、レーンは重体で、生き残る望みは全くないことを知らされました。

2014年7月13日は、私の人生で間違いなく最悪の日でした。私は親友を失いました。もうすぐ生まれてくる子どもの父親を。その日以来、私は心にぽっかり穴が開いたように感じます。私の心の一部は永久に失われたままでしょう。私は、自分よりもあの人を愛していました。

カイリのおかげで、私の手元には今、一枚の家族写真があります。みなさんもそうだったように、私も涙が出てきました。これが、私が心に描く家族です。タオスと私は、いつも私たちを見守っているレーンと一緒に、精いっぱい暮らしています。彼は小さな我が子を見守り続けています。そして、彼はとても誇りに思っていることでしょう。私はこの家族がとっても大好きです。私は、レーンの息子の母親であることに誇りを思っています」-シエラ・シャリー

CNNのインタビューで、シャリーさんはこの写真が彼女にとってどれほど大切かを語った。

「当然のことですが、レーンはもう私たちと一緒にいられません。しかし、この写真を見たら、レーンがいつも私たちを見守っていて、何があっても彼がいつも私たちのためにそばにいることが分かるんです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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