どうやら、スマートフォンの登場は、私たちから「何もしない時間」という概念そのものを奪い取ってしまったようだ。
写真家のベイビーケイクス・ロメロ氏は2014年に、スマートフォンの画面にくぎ付けになる現代人の姿を、作品で表現した。この写真に映る人たちは皆、スマートフォンを見ていなければ、会話したり、食事を楽しんだり、ただ宙を見つめたりといったことをしていたはずだ。「The Death of Conversation(会話の死)」と題されたこの作品はアメリカのウェブサイト「Bored Panda」上で公開されるとたちまち反響を呼び、7月7日には世界的なトークイベント「TEDx Talk」で発表されるに至った。
ロメロ氏は、彼が作品を公開してから、人々のスマートフォンへの「くぎ付け」は「悪くなる一方」だと言う。
「スマートフォンが人々の生活を支配するにつれ、彼らのスマートフォンに依存する度合いはますます増えてきた。まるで彼らの存在そのものがデジタル化され、"24時間年中無休で"アクセス可能になってしまったようだ」。ロメロ氏はハフポストUS版へのメール中でこう語った。
あなたにも、心当たりがあるのではないだろうか。例えば、誰かとのディナーの最中に会話が止まってしまうと、途端にお互いがスマートフォンをチェックする。スマートフォンは人との「つながり」が途切れてしまった時の、"逃げ場"となってしまっていると、ロメロ氏は指摘する。
「本来であれば人と人とを"つなぐ"はずのテクノロジーが、実際には距離を遠ざけてしまっているのは悲しい」と、ロメロ氏は言う。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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