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親愛なるドクターへ。
私たちの息子はおそらくダウン症だろうと、あなたが伝えてから2年経ちました。あなたと白い壁の診療室で過ごした、あの非現実的な20分間を思い出すと、いまだに心が苦しくなります。
実際、私はしばらくの間、この記憶を閉ざしていました。母は、あなたの言葉をそのままくり返して伝えることで、私に(現実と)向き合わせるしかありませんでした。
あなたに診療室に戻るように言われたとき、出生前スクリーニング検査は、私たちが知ることを望んでいないものなんだろうとわかっていました。電話を受けたとき、私は地面に倒れ込みました。ショックから立ち直った後、夫がトイレで嘔吐している間、夫が窮屈な服を脱ぐのを手伝いました。
私たちはダウン症について、多くを知りませんでした。
結局、あなたもご存知ではありませんでした。
私がしわのある紙に覆われた治療台に座ると、私たちの息子がダウン症である確率は99.9%で、中絶するか、出産するかの2つの選択肢があり、そのうちのひとつを選ばなければならないと、あなたは私たちに告げ、さらなる検査を提供することはありませんでした。
ダウン症であることは、子どもの人生がどうなることを意味するのかを尋ねたとき、あなたはこう言いました。「最悪の場合、彼は決して自力で食べてはいけないでしょう。最も上手くいけば、彼はいつの日かファストフードのレストランのフロアをモップ掛けできるでしょう」
こういうわけです。実際の診断結果に関するすべての話は、あなたによって判断された、気まぐれな制約で構成されていました。
しかし、「もし出産を続けたいなら、自分には解決策があるので、心配しないように」とあなたは言いました。つまり「あなたは英雄になる必要はありません。あなたはここで、赤ちゃんを産むことができます。私たちはその赤ちゃんを快適にしておくことができます。あなたは心臓切開手術のような、極端なことをする必要がありません」ということでした。
たとえ、これはあなたが決めることではないけれど、"息子の人生は生きる価値のないものだ"と思っているようでした。
あなたの声のトーンは、"もし私が中絶を実行することができないなら、正しい行動は私たちの息子が死ぬに任せることだ"と言っているようでした。それがあなたの選択でないにしても、"息子の人生は生きる価値のないものだ"と思っているようでした。
親愛なるドクター、あなたは私を失望させました。あなたは、ダウン症の診断の伝えかたについて、(イギリスで)全国的に認められたガイドラインに従わないことを選んだので、私を失望させました。このガイドラインは、医療専門家はダウン症のネガティブな面とポジティブな面の両面を、先入観のない方法で提示すべきであるとされています。
親愛なるドクター、残念なことに、あなただけではありません。2013年の研究は、肯定的な診断の経験した親1人に対して、否定的な診断をされた親が2.5人いました。同じ研究では、出産前にダウン症と診断された4組の家族のうち、約1組の医療専門家は中絶を主張していたことが明らかになりました。
親愛なるドクター、私はあなたがダウン症の専門家ほど多くのことを知っていることは期待しませんが、一般的な染色体の基本を、あなたに学んで欲しいと思います。あなたの患者さんには、内科的疾患の可能性を伝えてください。それだけでなく、今日できる治療についても伝えてください。発育遅延の可能性についても伝えてください。
しかし、ダウン症を持つたくさんの子どもたちが、今や一般の教室で授業を受けていて、数百の大学プログラムが利用できることも伝えてください。
親愛なるドクター、他人の未来は誰も予想できません。他人の価値を、誰も明らかにすることはできないのです。余分な染色体は、より多くの課題をもたらすかもしれませんが、あらゆる課題と同じように、途方もない他の機会に出会う可能性もまたあるのです。
数十年の経験を持つ産婦人科医である親愛なるドクター、私がこの診断を受けたあなたの最初の患者ではないこと、そして最後の患者にならないことも知っています。あなたはもっと全力を尽くすべきです。生命は(あなたの発言)を頼りにしているのです。決定によって影響を受けるのは、生まれていない子どもの生命だけではありません。あなたの患者の生命も影響を受けるのです。
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10月は、ダウン症啓発月間です。この手紙は「Down Syndrome Diagnosis Network」(DSDN)の #DearDoctor キャンペーンの一部です。このキャンペーンの目的は、ダウン症の診断を伝える方法に関して、適切なガイドラインがあることの認知度を高めるためです。
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このブログはハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。