聴覚障害を抱える人々にとって、ドライブスルーでの注文は簡単ではない。時には注文できない場合さえある。
しかし耳の不自由な28歳のレベッカ・キングは、地元フロリダ州セントオーガスティンにあるスターバックスのドライブスルーで感動的な体験をした。
彼女はその出来事を撮影し、Facebookに投稿している。
レベッカが注文端末に車を寄せると、インターホンから「こんにちは、ようこそスターバックスへ。ご注文はお決まりですか?」という女性の声が聞こえてきた。
レベッカが応答しないまま座席で待っていると、モニターにスターバックスのバリスタが現れた。レベッカが手話で会話すると、そのバリスタも手話で返した。
「スターバックス! こういうサービスを待っていたんです! ぜひこの動画をシェアしてください。きっと世界を変えることができます」とレベッカはFacebookに書いている。動画はこれまで1000万回以上再生されている。
フロリダ州ジャクソンビルのニュース番組アクション・ニュース・ジャックスによれば、バリスタは22歳の大学生ケイティー・ワイブルだ。保育園の先生が手話をしている目にしたのがきっかけで手話に強い憧れと興味を持ち、高校で学び始めたそうだ。動画が大勢の人にシェアされていることに驚いているという。
「私達の取組みを、もっと多くの人たちに知ってもらいたいと思っています。そうすれば、お客さんへのサービスが、さらに向上するでしょう。周りの人の役に立つことができるんだと、多くの人が気付くきっかけになれば嬉しいです」とケイティーは語っている。
別のニュース番組ファースト・コースト・ニュースによれば、レベッカは動画を撮影した前日の11月2日に、初めてスターバックスの双方向ビデオを利用したそうだ。画面にケイティーが現れて手話で話しかけてくる、という予想外の展開に驚いた彼女は、翌日に店を再訪してやり取りを撮影したという。
「耳の不自由な人たちにとって、スターバックスで手話が使えるというのはとても重要なことなんです。世界中のドライブスルーもそうなって欲しいと望んでいます」と彼女は話している。
セントオーガスティンには、聴覚障害を持つ人々の大きなコミュニティがあり、フロリダ盲学校・ろう学校がある。
現在何店舗のスターバックスで、このドライブスルーの双方向ビデオが採用されているかはわかっていない(ハフポストUS版は同社にコメントを求めたが、まだ回答はない)。
耳の不自由な人たちへのサービスを提供する飲食チェーン店は、他にもある。
アメリカ中西部を中心に展開しているファーストフード・チェーン店Culver’sは、2010年に一部のドライブスルーで耳の不自由な顧客が利用できるシステム「オーダー・アシスト」をファストフード企業として初めて採用し、話題になった。
最近では、サブウェイが一部店舗のドライブスルーでタッチパネルの注文端末を採用。ドライブスルーの注文を「より速く、より正確に」するのが目的と同社は発表したが、耳の不自由な利用者にも役立つ結果になった。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー