南太平洋の島国「キリバス」代表としてリオ・オリンピックで重量挙げに参加したデイヴィッド・カトアタウ選手が世界の注目を集めている。ただし試合内容ではない。ユーモラスなパフォーマンスのせいだ。
男子105キロ級に出場し、順位はグループBで6位と予選敗退したが、彼はめげなかった。直後に笑顔で、2014年から世界大会で恒例となっている不思議なダンスを披露したのだ。
何とも楽しげなダンスだが、そこにはカトアタウ選手の悲壮な思いがあった。国土の大半が海抜2m以下の島々から成るキリバスは、海面上昇により水没する危険性が高いと言われている。彼はダンスを通して、故郷の危機を世界に訴えたかったのだ。ロイター通信に対して次のように語っている。
キリバスがどこにあるか、ほとんどの人は知りません。私たちのことを人々にもっと知って欲しい。世界に知ってもらうために私は重量挙げをし、そしてダンスします。私は、海面上昇で沈む故郷の人々のことを伝えるために昨年、世界に向けて公開書簡を出しました。沈むまであと何年なのかすら分かりません
【画像集】キリバス代表の不思議なダンス
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