南アフリカ政府が、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世へのビザの発給を拒否していたことがわかった。ダライ・ラマは10月に南アフリカで開催される「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」に招待されていた。
「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」は、ノーベル平和賞の受賞経験者が集まり持ち回りで開催される。2014年はツツ元大主教ら南アフリカの受賞経験者が主催。ネルソン・マンデラ元大統領の死去1年にあわせ10月13〜15日の日程で開催される予定だった。時事ドットコムなどが報じた。
関係者によれば、南アフリカ政府当局者が電話で、中国との関係を損なうことを理由に、ビザを発給できないと伝えてきたという。南アフリカにとって中国は最大の貿易相手国。(中略)
ダライ・ラマへのビザ発給拒否について、ツツ元大主教の広報担当者は「ダライ・ラマの入国が認められなければ、他の招待者も来ないと言っていると聞いた」と話している。
(時事ドットコム「ダライ・ラマへのビザ拒否=対中関係に配慮-南ア」より 2014/09/05 05:20)
この報道を受け、中国外務省の秦剛報道官は9月5日、定例会見で「南アフリカ政府の態度は、中国・南アフリカ間の全面的戦略パートナーシップの下であるべきもので、南アフリカは中国の主権と領土保全に関する問題で引き続き中国を支持する正しい立場を続けるに違いない」と述べ、南アフリカ政府のとった行為を称賛した。
ダライ・ラマは8月にもモンゴル訪問を予定していたが、中国政府からモンゴル政府への圧力によって、訪問中止に追い込まれていた。
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