フィギュア現役復帰を表明した高橋大輔、羽生結弦や宇野昌磨について「勝てる気は一切しない」と語る

復帰の決意を最初に伝えたのはあの人とあの人だった。
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記者会見する高橋大輔さん=7月1日、東京
時事通信社

フィギュスケート男子のバンクーバーオリッピンク(2010年)銅メダリストの高橋大輔さん(32)が7月1日、東京都内で記者会見し、現役に復帰することを正式に表明した。

スケートへの未練があったことや、国際舞台での「勝負」ではなく、自分の納得できる滑りにこだわりたいとの思いが決断を後押ししたという。

NHKによると、高橋さんが現役復帰を最終決断したのは、2017年の全日本フィギュアスケート選手権がきっかけだった。

宇野昌磨選手が優勝、田中刑事選手が2位でいずれも平昌オリンピックに出場したが、高橋さんが注目したのは、そうした国際舞台の一線で活躍できる「スター」以外の選手だった。

今まで僕自身は世界を目指して、世界で戦うために現役をやっていたんですけども、全日本選手権という場で結果を残すために、(選手たちが)自分自身を追い込んでやっていく姿に感動しました。そういう戦い方もありなんじゃないかと。

それまでは本当に勝てないんだったら、現役はやるべきではないというふうに思ってたんですけど、それぞれの想いの中で戦うってことも、いいんじゃないかなっていう。

高橋さんはまた、自身も出場したソチオリンピック(2014年)終了後、けがの回復が見込めず、引退を余儀なくされた。引退後、テレビで競技の解説などをこなしてきたが、競技への未練が残っていたという。

引退してから4年間、ニューヨークに行ったり、テレビの仕事をさせていただいたり、いろんな方にお会いして、その中で第一線であったり、自分自身が全力をかけてやるべきことをやっている方たちの姿を見ながら、いろんな仕事をしていく中で、僕自身がこれが自分が本当にやりたいことなのかなと、徐々に徐々にふくれてきたってところもありました。

ソチオリンピックが終わって、世界選手権にけがで出場することができず、そのことが自分自身の中で、さっぱりとした気持ちで、次に迎えてなかった。次に進むためにもう一度、現役という形でやって、自分の中で納得してから、次に行かなきゃいけないんじゃないかなって。

とはいえ、32歳という自らの年齢も考えると、何年も競技生活を続けるわけではないという。

何十年も滑り続けることはなかなか難しいと思うので、すごいいいパフォーマンスができて、5、6年かなって。

自分自身のスケートをもう一度取り戻してアイスショーだったりとかで、ファンの皆様に失礼のないスケートをやっていくためには、やはりもう一度、現役に復帰して、体を作り上げなければ、そういったスケートは今後できないんじゃないかなっていう気持ちも現役復帰という決断にいたったところではなります。

スポニチによると、まずは2018年12月に開かれる全日本選手権への出場を目指すという。

4回転ジャンプが「常識」になりつつあることについては、「4回転2種類ぐらいは飛べるようにしたい」と意欲を見せた。ジャンプを研究する上で一番参考になったのは、平昌オリンピック団体戦で銅メダルを獲得したアメリカのネイサン・チェン選手だったという。

けがについては、「ケアはしている。良くなることはないが、膝の補強なども取り入れたので今までとは違う体だと思う」と述べた。

平昌オリンピックで金メダル、銀メダルにそれぞれ輝いた羽生結弦選手や宇野選手については、「勝てるものなら勝ちたいが、勝てる気は一切しない。練習をしていく中で、自信がついたら思い切り食らいついていきたい」などと話した。

復帰の決心をまず伝えたのは、元フィギュアスケート選手の浅田真央さんや織田信成さんだったといい、2人とも「凄く賛成してくれた」という。