「平成の怪物」松坂大輔が平成最後のオールスターに登板。12年ぶりに見せた球宴での投球はどうだった?

古巣西武ライオンズの打者たちに対し、真っ向勝負を挑んだ
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オールスター戦で力投する松坂=大阪市の京セラドーム大阪
時事通信社

プロ野球・中日ドラゴンズの松坂大輔投手(37)が7月13日、「マイナビオールスターゲーム2018」に先発登板した。1回を投げて5点を取られたが、平成最後の夏の球宴に「平成の怪物」が見せたマウンドさばきに、スタンドは大いにわいた。

松坂のオールスター出場は12年ぶり。対戦するパ・リーグ打線の先頭打者は、古巣埼玉西武ライオンズの秋山翔吾。目下リーグ打率トップの強打者だが、松坂はストレートで追い込む。そして、打者の手元でわずかに変化するカットボールで秋山に的を絞らせない。

だが、結局はその自慢のカットボールを秋山に弾き返され、ライトスタンドに本塁打を許す。さらに2死一、三塁の場面で、同じく古巣西武の森友哉にも3点本塁打を浴び、5点を奪われた。

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秋山に先制本塁打を打たれる松坂
時事通信社

平成の怪物

松坂といえば150キロを超える豪速球と横に鋭く曲がるスライダーが代名詞だ。高校時代は、横浜高校のエースとして活躍し、1998年の春の選抜大会で優勝した。

夏の大会でも、準々決勝で強豪PL学園相手に延長17回を250球を投げて完投勝利し、決勝でノーヒットノーランを達成。春・夏連覇を成し遂げた。「平成の怪物」と言われる所以だ。

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ノーヒットノーランで優勝を決めガッツポーズする横浜の松坂大輔投手(左)=1998年8月
時事通信社

プロに入っても、日本とアメリカ・メジャーリーグで強打者を「力」でねじ伏せてきた。だが、そんな松坂を度重なる故障が襲った。

メジャーリーグでのプレーを断念して2015年シーズンから日本球界に復帰したが、入団したソフトバンクでは公式戦での登板はわずか1試合だけだった。

今シーズンから中日に移籍し、「最後の勝負」に挑んでいる。かつての剛腕の姿はない。ストレートは130キロ後半から140キロ前半に落ちた。だが、緩急や手元でずらす変化球という武器で、ここまで3勝3敗と復活を印象づけた。

今回のオールスターはファン投票1位で選ばれた。松坂の栄光と挫折、そして復活をファンはよく知っているからこその選出だったと言える。

松坂は予定していた2回を待たずに降板した。朝日新聞デジタルによると、マウンドを降りた後、松坂は「宣言通り、直球系で勝負にいき、見事に打たれました」とコメントした。

だが、ファンにとっても、そして本人にとっても、平成の怪物が平成最後の球宴のマウンドに立ったこと自体が喜びだったに違いない。