ヨルダンの空爆で「アメリカ人女性が死亡」 非公開だった名前がダーイシュ(「イスラム国」)側から公表される

ダーイシュが「ヨルダン軍の空爆により、米国人女性の人質が死亡した」とする声明文を公開した。この声明で公開された女性の名前は、アメリカ政府がこれまで公表していないものだった。
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過激派組織ダーイシュ(イスラム国)とみられるグループが2月6日、「ヨルダン軍の空爆により、アメリカ人女性の人質が死亡した」とする声明文をネット上に公開した。声明には、死亡した女性の名前も表示されているが、アメリカ政府がこれまで公表していなかった名前を、ダーイシュが先に公表した形になった。BBCなどが報じた。

声明は死亡したとされる女性について、「ケイラ・ミュラーさん」だとしており、住所や電話番号、メールアドレスも掲載しているが、女性の写真は掲載していない。

アメリカのジョン・マケイン上院議員の声明などによると、ミュラーさんは26歳の人道支援活動家。2012年にシリアに入り、2013年8月に同国のアレッポで、国際医療援助NPO「国境なき医師団」の病院を出た後にダーイシュに拘束されたという。

ニューヨーク・タイムズによると、ダーイシュがミュラーさんの名前を使うのは初めてのことだという。ミュラーさん家族の顧問の一人は、「彼女がシリアで何をしていたのかはっきりしない」と述べた。アメリカ政府はこれまでミュラーさんの名前を公表しておらず、身の安全への懸念から、身元を確認しないように要請していた

家族は2014年5月に初めてダーイシュから連絡を受けた。7月12日には500万ユーロ(約6億4700万円)の身代金を払うか、パキスタン人科学者との引き換えでなければ、ミュラーさんを殺害すると宣告されていたという。

アメリカのライス大統領補佐官は6日、ダーイシュの声明について「現時点では、ミュラーさんの死亡を裏付ける証拠はない」と発言。また、ヨルダンのナセル・ジュデ外相はTwitterで「人質が空爆で死亡したと主張するのは、テロリストが何十年も前から使い続けている古い戦術だ」とコメントした

なお、ダーイシュの声明には、空爆を受けた場所だとする写真とともに、「人々が金曜礼拝で祈っている最中に、ラッカ郊外の施設が十字軍連合によって空爆を受けた。聖戦士は負傷しなかった」とするアラビア語の文章が添えられた。

声明に添えられた空襲を受けた場所だとする写真

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