3月5日、総務省のワークライフバランスを推進するプロジェクトチームの会合で、有識者委員として参加したサイボウズ社長の青野慶久さんが「こっちは忙しい時間割いて来てるんだ。国のために。本気じゃないなら、次回から絶対来ない」と一喝する場面があった。
この会議ではまず、総務省自らが率先してワークライフバランスに取り組むことが議題となっていた。出席していたNPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹さんが、残業時間の削減目標について聞いた際、官僚から帰ってきた回答は、青野さんの想定より低く、「理想が低いな」と思ったという。さらに社会学者の古市憲寿さんの残業時間への質問に対しての回答も曖昧で、「現実を見ようとしていない」と考えた青野さんは、本当にやる気があるかどうかを問いただしたのだという。
「本気かどうかを確認したいです」と発言した意図は「高い理想を持ち、共感してからプロジェクトを始めましょう」
というメッセージを込めました。これにより、政務官からは「本気です。必ずやるつもりです」という言葉をいただき、私も「わかりました。必ずやりましょう」と話したのでした。
(サイボウズ社長の青野慶久が官僚を一喝した本当の理由 | サイボウズ式 2015/03/09)
青野さんはIT関連の上場企業の経営者であると同時に、3児の父親でもある。経営者自ら育児休業を取得し話題を呼んだほか、時間や場所に囚われない勤務体系を導入するなど、働き方の分野でもっとも先進的な取り組みを行っている。
同社の自社メディア「サイボウズ式」で青野さんは、議論のスキルと重要性についてこう語っている。
私がサイボウズを経営する上で、強くこだわりを持っているのが「議論」です。議論をするスキルが低ければ、多様性のある組織で生まれる多様な意見はかえって混乱を招きます。
建設的に議論するには、共通言語が必要です。サイボウズでは「問題解決メソッド」という共通のフレームワークを定めました。「理想」「現実」「原因」「課題」「事実」「解釈」。これらの言葉を共通言語とした議論を促しています。
(サイボウズ社長の青野慶久が官僚を一喝した本当の理由 | サイボウズ式 2015/03/09)
議論の最初に「理想」を設定。さらに「現実」を確認し、両者の隔たりが「課題」であり、それを生んでいるものが「原因」となる。これを考える際に「事実」と「解釈」をきちんと分ける、といった考え方を紹介している。
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