デバイスの普及、メディアの細分化、消費者行動の変化によってメディアビジネスは急速に変化しています。また、複雑になったとはいえ、各種デバイスのメディア視聴は2016年に全体で13%増加しています。
◆全デバイスの視聴とトータルオーディエンスの測定
スポーツに関心を持つファンは多数いますが、技術の進化の恩恵で、彼らはリビングルームの外に出て、新しい方法でコンテンツを視聴できるようになりました。
アメリカではテレビのライブ視聴時間は50歳以上を除き、すべての層で減少し、PC(インターネット)、スマートフォン(アプリ/ウェブ)、タブレット(アプリ/ウェブ)の使用時間が大幅に増加しました。
アメリカの成人におけるテレビのライブ視聴時間の減少は鈍化する傾向がみられます。「ニールセン トータルオーディエンスレポート2016年第3四半期版」によると、アメリカ成人によるテレビのライブ視聴時間は1日当たり4時間6分と、2015年第3四半期より1分、2014年第3四半期より約7分減少しました。
一方、PC、スマートフォン、タブレットの利用時間は45%と大幅に増加しました。ほぼ、変わらないメディアはラジオで、依然としてトータルメディア視聴のかなりの部分を占めています。
◆ミレニアル世代は正にモバイルファースト世代に
「ニールセン トータルオーディエンスレポート2016年第3四半期版」によると、18~24歳のアメリカ成人によるメディア視聴時間は週当たり平均57時間でした。
彼らのメディア視聴時間のうち20時間以上(35.6%)はスマートフォンによるもので、テレビ視聴時間は15.5時間(27.1%)でした。モバイルデバイスによる視聴時間がテレビ視聴時間を上回ったのは、全ての層において今回が初めてです。
リーグ、チーム、ブランドは若いファンを引きつけようとしているため、これらの視聴傾向は今後のスポーツマーケティング業界にとって多くの意味を持ちます。
スマートフォンは「セカンドスクリーン」としても使われ、30%の消費者がテレビ視聴中に1日に複数回スマートフォンを使用しています。スマートフォンをセカンドスクリーンとして利用する消費者のうち25%は、アスリート、チーム、俳優、あらすじに関する情報を検索しています。
『スマートフォンをセカンドスクリーンとして利用する消費者のうち25%は、アスリート、チーム、俳優、あらすじに関する情報を検索』
◆自宅以外での視聴によって視聴者が大幅に増加
ビッグゲームでは、ファンがバーやパーティーに集まって、友人と一緒にひいきのチームの試合を観戦する傾向が続いていることを踏まえて、ニールセンは様々なスクリーンのトータルオーディエンスを確実に計測するため、ファンの自宅以外での視聴状況を捕捉、測定しています。
18~34歳を中心とする多くのファンは、昨年のNBAファイナル、キャバリアーズとウォーリアーズの7試合を自宅以外で視聴することを選択しました。NBAファイナルの7試合で、ABCの平均視聴率は17%上昇しました。18~34歳に限ると、25%もの上昇となっています。