現在、米ハフィントンポストが、メディアプロジェクトやライターに支援することができるサービス「Beacon(ビーコン)」を利用してクラウドファンディングをしています。どのような目的なのか。
それは、白人警官が黒人少年を射殺した事件を発端として、暴動・混乱が拡大する米セントルイス郊外のファーガソン地区の継続的な報道をおこなうためです。
フェイスブックでALSの氷水チャレンジがバイラルするなか、海外のツイッター上では圧倒的にファーガソンの暴動についてのツイートが多くあります。ワシントンポストも臨時的にこの暴動を報道するためにホテルに臨時的にデスクを設置するなど、各メディアがさまざまな報道姿勢を見せています。
そのなかでハフィントンポストはクラウドファンディングを選びました。目標額は4万ドル(約400万円)です(記事執筆時点では、1.3万ドル集まっています)。期間は9月10日まで。今回のプロジェクト資金は、「Ferguson Fellowship」という新設の制度に充てられます。
具体的には、ファーガソン地区をカバーしてるマライア・スチュワート記者の育成に充てられ、ハフィントンポストの刑事記者と協働で記事として公開されるようです。彼女はすでに今回の暴動について、BBCなど大手メディアでカバーしています。
今回のように大きな出来事かつ、継続的な報道、記者の育成が必要な場合に、メディア企業としてクラウドファンディングを活用する事例は増えていくことでしょう。ジャーナリズム×クラウドファンディングについては、ぜひ以下の記事もご参照ください。
(2014年8月23日「メディアの輪郭」より転載)