新型コロナウイルスで国内初の死者。これまでの経緯は?(時系列まとめ)

1月初旬に感染が確認されたのは中国・武漢市内の海鮮市場の関係者のみ。それから約1カ月で世界中で感染者が拡大しています。

新型コロナウイルスの感染による肺炎(COVID-19)で国内初の死者が、2月13日に確認された。神奈川県在住の80代女性だった。

同日には和歌山県の医師や、都内のタクシー運転手、千葉県の男性が感染していることも確認されたが、いずれも感染が拡大する中国との明確な接点は見つかっていない

国内での市中感染が起きている可能性も浮上している。13日現在までに判明した、これまでの経緯を時系列でまとめた。

 

2019年12月31日 武漢で原因不明の肺炎

中国の武漢市内で原因不明の肺炎が広がっていると、世界保健機関(WHO)が中国当局から報告を受ける

2020年1月7日 新型コロナウイルスと判明

武漢市の肺炎患者から、中国当局が新型コロナウイルスを検出した

1月12日 中国で初の死者を確認

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閉鎖された海鮮市場(武漢市)
Getty Images

新型コロナウイルスで初の死亡者が確認された。WHOは、新型コロナウイルスに武漢市内で41人が感染し、そのうち1人が亡くなったと発表。ほとんどの症例は、1月1日に閉鎖した武漢市内の海鮮市場「華南海鮮卸市場」の従業員や来訪者だった。

1月13日 中国以外で初の感染確認

武漢市からタイを訪れた中国人の女性から、新型コロナウイルスを検出した。中国以外では初の感染確認。

1月16日 国内初の感染確認

武漢市から帰国した神奈川県の30代中国人男性から、新型コロナウイルスを検出した。国内では初の感染確認。

1月20日 ヒトからヒトへの感染が判明

中国政府の専門家グループ長は20日、ヒトからヒトへの感染が認められると明らかにした

1月23日 武漢封鎖

武漢市は新型コロナウイルスの市外への感染拡大を防止するため、交通機関の運行を停止した。事実上、武漢を封鎖する措置が始まった。

1月27日 中国人の団体ツアー旅行が禁止に

中国の旅行会社を統括する中国旅行社協会は、中国政府の要求に基づき、国外旅行を含む全ての団体ツアー旅行を27日から一時禁止とすることを決めた

1月28日 日本人の感染者を初確認

厚労省は会見で、日本人の新型コロナウイルス感染者が初めて確認されたことを明らかにした。感染したのは奈良県在住の60代男性。武漢市から来たツアー客を乗せたバスの運転手だった。

1月29日  武漢からのチャーター機第1便

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1月29日に中国・武漢市から邦人を乗せて帰国した政府のチャーター機(東京・羽田空港)
AFP時事

武漢市にいる日本人を帰国させる目的で、日本政府が派遣した民間チャーター機の第1便が羽田空港に到着した。206人が帰国した。翌30日に第1便の帰国者のうち3人に感染が確認された

1月31日 WHOが緊急事態宣言

新型コロナウイルスに関して、WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言。中国での感染者数が1万人を超えた

2月1日 日本で「指定感染症」に

日本政府は、新型コロナウイルスによる肺炎などを感染症法の「指定感染症」と検疫法上の「検疫感染症」とする政令を施行。検査・入院に強制力を持たせたほか、中国湖北省からの外国人を入国拒否の措置をとった。

2月5日 ダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が判明

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2月5日、横浜沖に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号
Kim Kyung Hoon / Reuters

横浜港に停泊していた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員乗客10人に、新型コロナウイルスの感染が確認された。厚労省は乗員乗客に14日間程度、船内に待機してもらう方針を示す。

2月8日 武漢在住の日本人が死亡

中国政府は武漢市で新型コロナウイルスに感染して死亡した外国人2人について、うち1人は8日に亡くなった日本人だと発表した。新型コロナウイルスに感染した日本人の死者は初めて。

2月11日 病名を「COVID-19」と命名

WHOは新型コロナウイルスによる肺炎などの疾患について「COVID-19(コービッド・ナインティーン)」と名付けたと発表した

2月13日 国内初の死者

新型コロナウイルスに感染していた神奈川県在住の80代女性が死亡。国内初の死亡者となった。中国との明確な接点はなく、国内での市中感染が懸念される事態になった。