太平洋とカリブ海に挟まれた中米の国コスタリカで、5月26日深夜から同性カップルの結婚が可能になった。
中米で同性婚が法制化されたのは、コスタリカが初だ。
同性婚支持団体の「Sí Acepto Costa Rica (誓います、コスタリカ)」はこの日、大規模な祝賀イベントを開く予定だった。しかし新型コロナウイルスの影響で、オンライン祝賀会に変更したと同団体のジーア・ミランダさんはニュースサイト「コスタリカ・スター」に語る。
「パンデミックで国や世界が大変な状況にあります。しかしそういった時にこの歴史的な節目を迎え、大勢の同性カップルや家族が法的な認定を受けられるようになったことは、より良い将来へのメッセージにつながると思います」
2018年、最高裁が同性婚の禁止は違憲と判断
コスタリカの最高裁判所は2018年、同性カップルの結婚の禁止は、憲法に違反するとの判決を下した。
そして議会に対して18カ月以内に同性婚を整備するように求め、もし法整備がなされなければ、2020年5月26日に自動的に同性婚が法制化されるとした。
この日までに議会が法制化しなかったため、5月26日深夜を過ぎた後は、同性婚を禁じる法律は無効になった、と地元メディアのティコタイムズは伝える。
コスタリカでは国民の約70%をカトリック教徒が占め、同性カップルの婚姻に反対する人も少なくない。
ロイターによると、同性婚の法制化がスタートする直前には保守系の議員たちが、新型コロナウイルス対策などを理由に、施行を18カ月遅らせるよう求めていた。
動議は最終的に否決され、予定通り26日に平等な婚姻が実現することになった。
26日0時を過ぎた後、カルロス・アルバラード・ケサダ大統領も同性婚が実現することを祝福するコメントを投稿した。
私たちはずっと待っていた
大統領のLGBTI人口問題委員を務めるルイス・サルザールさんはAFPに、「同性カップルは何十年も自分たちの平等な権利が認められることを待ち望んでいた」と話す。
「彼らは、他の市民たちと同じ税金を支払い、法の下で同じ義務を果たしているにも関わらず、性的指向で権利を否定され、差別的な扱いを受けてきたのです」
Sí Acepto Costa Ricaのミランダさんは、同性婚が合法化されてもすぐに社会が変わる訳ではないかもしれないが、法制化によって少なくとも法のレベルでは二級市民ではなくなり、大きな前進だとティコタイムズに語る。
「私たちは新しい歴史のページを開いたのです。(平等な婚姻は)宗教的な信条ではなく、基本的な人権なのです」
「コスタリカでたった今、中米で初めての同性婚が法制化された。2020年5月26日、火曜日」
「自分が25歳になる前に、コスタリカで同性婚が実現を見られるようになるなんて信じられない」
「コスタリカが今日、中米で初の同性婚を法制化する国になったよ。長い道のりだったけれど、とても誇らしいです。そしてホッとしています」
コスタリカの同性婚の実現は、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、コロンビア、エクアドルに続いてラテンアメリカで6番目となる(メキシコの一部の地域でも、同性婚が合法化されている)。
また、コスタリカが加わったことにより、世界28の国や地域で同性婚が可能になった。