2019年末から中国の武漢市で発生が確認されていた原因不明の肺炎について、中国の国営放送CCTVは1月9日、複数の患者から新型のコロナウイルスが検出されたと伝えた。初歩的な判断として、このウイルスが病原体だとしている。
この肺炎については中国で2000年代に大流行したSARSではないかとの憶測も流れていたが、これらとは違う新型のウイルスだとしている。
■「危険性の解明にはさらなる研究が」
日本の厚生労働省によると、1月5日までに中国・武漢市で59名が原因不明の肺炎に感染した。重症例もあるが死者は出ていない。
現地の海鮮市場と関連した症例が多いことがわかっている。この市場では野生動物も販売しており、現在は閉鎖されている。
CCTVが「元凶が初歩的に判定された」と伝えたのは1月9日。専門家チームの分析の結果、新型のコロナウイルスが検出されたとした。
横浜市疫学情報課によると、人で感染症を起こすコロナウイルスは6種類あり、このなかに重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)もある。
中国では2000年代にSARSが大流行し、数百人が死亡したことから、再発を恐れる声が上がっていた。CCTVは、今回見つかったウイルスは「これまでに発見されたヒトコロナウイルスとは異なるものだ。危険性の解明にはさらなる研究を必要とする」としている。