「若年層が感染を拡大」? 政府の専門家会議、若者に風通しが悪い所を避けるよう呼びかけ

【新型コロナウイルス】北海道などのデータの分析から、症状の軽い人が気がつかないうちに感染拡大に重大な役割を果たしてしまっている可能性を指摘した。
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厚生労働省サイトより

新型コロナウイルスの国内での感染拡大を受け、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)のメンバーが3月2日に会見を開き、「ウイルスの特徴」により、症状が軽い若年層が、気がつかないままに感染を拡大させている可能性があるとする見解を示した

厚生労働省のサイトに公開された、専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の見解」では、10〜30代に向けて、「人が集まる風通しが悪い場所」を避けるように呼びかけている。

 

「症状の軽い人からの感染拡大」

見解では、北海道などのデータの分析から、「症状の軽い人からの感染拡大」がおきていることが考えられるとした。

これまでに国内で感染が確認された人のうち約80%の人は、他の人に感染させていない一方で、「一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例」が報告されているとした。

その具体例として、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどをあげている。

このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されるとしている。

 

北海道「ライブハウス、カラオケ、クラブ、できるだけ行かないで」

北海道については、気づかないうちに感染していた、特に若年層で症状の軽い人々の一部が、道内を移動することで感染が拡大し、感染した高齢者から症状が出たことで、感染の拡大状況を把握できたと考えられる、と分析している。

見解では「北海道の皆様ができること」という項目を設け、以下の行動を求めている。

(1)軽い風邪症状(のどの痛みだけ、咳だけ、発熱だけなど)でも外出を控えること


(2)規模の大小に関わらず、風通しの悪い空間で人と人が至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かないこと(例えば、ライブハウス、カラオケボックス、クラブ、立食パーティー、自宅での大人数での飲み会など)

 

「全国の若者の皆さんへのお願い」

また「全国の若者の皆さんへのお願い」としてこう呼びかけている。

10代、20代、30代の皆さん。

若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。

でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。

皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。

 

この見解に対してはネット上では、「若者も年配者も乗っている満員電車が危険では」「世代間対立を煽りそうだ」などの声も出ている。