中国で2019年末、新型コロナウイルスが検出されていたにも関わらず、中国当局が「いかなる機関や個人も勝手にウイルスに関する情報を公開してはならない」とする通知を出していたと、中国メディア「財新」が伝えた。
通知が出たのは国営メディアがウイルスについて伝える6日前で、事実ならば政府が情報の封じ込めを行なっていたことになる。
「財新」によると、2019年末、武漢市の病院が民間の検査機関にウイルスの検査を依頼したところ、SARSウイルスとよく似た新型のコロナウイルスだとわかった。検査機関がこのことを地元政府に報告したところ、サンプルを破棄し、ウイルスに関する情報を公開してはならないと告げられたという。
国から関係当局あてに通知が出されたのは1月3日。「いかなる機関や個人も勝手にウイルスに関する情報を公開してはならない。感染コントロール期間においては、検査データは特殊な公共資源に属する」と指示した。
また、サンプルについては破棄するか国が指定した機関に送るよう求めていた。
中国の国営メディアが、当時原因不明だった肺炎について「複数の患者から新型のコロナウイルスが検出された」と伝えたのは6日後の1月9日だった。「財新」の報道が事実であれば、政府は6日間に渡って情報を封じ込めていたことになる。
財新は、自社の記者による調査報道を積極的に行う中国のメディア。記事はすでに削除されている。