「“ただ黙っている”だけでも責任がある」生物多様性COP15の現地に集まった人々が日本に伝えたいこと【動画】

特別企画「生物多様性条約 COP15 #世界から日本に言いたい」を実施。現地に集まった人々の様子を動画でお届けします。

12月19日まで開催予定の、生物多様性保全について話し合う国連会議「COP15」。2030年までに生物多様性の損失を回復に逆転させるための「世界の新目標」が採択される見込みで、厳しい交渉が続いています。

ハフポスト日本版は、日本から若者の立場としてCOP15に参加している一般社団法人Change Our Next Decade(COND)とコラボ企画を実施。CONDのメンバーが現地の様子を動画で取材してくれました。

COP15開催地のカナダ・モントリオールには、政府関係者の他にも、ビジネスセクターや環境活動家、先住民族、女性、若者など様々な立場の人々が集まっています。一人一人がどんな思いで参加しているのか、また日本へ伝えたいことは何か。現地の生の声をお届けします。

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COP15開催地で「人権のための生物多様性行進」を行う先住民族のメンバーたち
AFP=時事

南アフリカ共和国から日本へ言いたい

南アフリカ共和国の貧しい地域で育ったという海事弁護士のンカンガさん。現在は海洋生物資源の長期的な持続可能性と保全について若者に教えるための非営利団体で活動しているそうです。

日本に伝えたいことは、「私たちの国、世界、そして地球全体が、生物多様性に関して本当に危機に瀕しているということ」だと話すンカンガさん。

「もし私たちが資源の確保、長期的な持続可能性、資源の保全に注力しなければ、私たちの子どもやそのまた子どもたちが、今経験している美しい自然、美しい動物、生物多様性を体験することができなくなってしまうでしょう」

コロンビアから日本へ言いたい

コロンビア出身のジャーナリストで環境活動家のダニエラさんは、コロンビアの厳しい現状を訴えました。

「コロンビアの天然資源には大きな経済的利益があるため、軍隊の争いに悩まされています。毎日、何百万人ものコロンビア人が苦しんでいます。なぜなら、企業や、生物多様性の危機に対して何かしなければならないはずの組織でさえも、その仕事をしていないからです」

日本へ伝えたいことを聞くと、「私たち一人ひとりが、世界で苦しんでいる人々のために声を上げず、ただ黙っているだけでも責任があると思うのです」と語りました。

台湾から日本へ言いたい

台湾の環境ジャーナリストで、COP15の交渉に参加している若者グループ「Global Youth Biodiversity Network (GYBN) 」の一員として現地入りしたクレアさん。

COP15に参加した理由を聞くと、「生物多様性の損失を止めなければならないことを、より多くの人に理解してもらいたいと願っているからです」とコメントしました。

「日本の皆さんへのメッセージは、消費しすぎたり、ファストファッションを使ったりするこれまでと同じような生活スタイルはやめましょうということです。私たちは、毎日の生活の中で買い物をする前に、もっと注意深く考え、心を配らなければなりません」

オランダから日本へ言いたい

オランダのユース代表としてCOP15に参加しているエヴィさんは、2つの理由でCOP15に参加したと話します。

「一つ目の理由は、今起きている生物多様性の危機が非常に重要だからです。私たちは転換期を迎えていて、何らかのアクションが必要です。2つ目の主な目的は、若者の代表として、特にオランダの若者の声を上げたいということです」

日本に伝えたいこととして、新目標でも注目されている、2030年までに国土の30%を保全・保護するという「30 by 30」の重要性を訴えました。

「積極的かつ積極的な保護・保全の重要性を強調したいです」