受動喫煙対策、自民が修正要求 厚労省改正案は「厳しすぎる」

受動喫煙対策を強化する健康増進法改正に関し、自民党は、小規模なバーなどを除き原則禁煙とする厚生労働省案を認めない方針だと、毎日新聞が報じた。
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No smoking sign displayed on the wooden table in the public cafe
JHK2303 via Getty Images

たばこの煙を吸い込む受動喫煙対策を強化する健康増進法改正に関し、自民党は、小規模なバーなどを除き原則禁煙とする厚生労働省案を認めない方針を固めたと、毎日新聞が4月14日に報じた。また共同通信は同日、改正案について、自民党の茂木敏充政調会長が、党と厚生労働省の少人数で修正に向け協議する場を設けるよう厚労省側に提案していると伝えた。

どちらの報道も、自民党内に、屋内禁煙の徹底を求める厚労省案が「厳しすぎる」と一部反発が声があるためとしている。

厚労省は当初、飲食店をすべて原則禁煙(喫煙専用室は設置可)とする方針だったが、飲食業界などが「小規模店は喫煙室設置のコスト負担が難しい」と反発。これを受けて厚労省は3月1日、主に酒を提供するバーやスナックなどの小規模店舗は規制の対象外として喫煙を容認する改正案の原案を公表した

しかし自民党内では反対する声が強いとして、毎日新聞は次のように伝えた。

自民党内には「飲食店が廃業に追い込まれかねない」との異論が根強く、法案提出の前提となる議論を行う党厚労部会が開催できない状況が続いていた。党幹部は13日、厚労省側に対し、「現状では厚労部会は開催できない」と伝えるとともに、見直し案検討のための協議の場を党内に設置する方針を明らかにした。

 

受動喫煙:自民、厚労省案認めず 対策後退必至 - 毎日新聞より 2017/04/14 07:30)

一方、塩崎恭久厚労相は限られたメンバーではなく、自民党所属議員なら誰でも出席できる厚労部会の開催を求めており、茂木氏と交渉を続ける構えだという。

厚労省の健康増進法改正案について、公明党の井上義久幹事長は14日の記者会見で「受動喫煙はなくすべきで、いつまでも議論を引き延ばしていいということではないので、まずは、厚生労働省が自民党としっかり協議して、一定の結論を出してもらわなければならない」と苦言を呈した

これに関し、自民党の二階俊博幹事長は記者会見で「大きな政治問題ではなく、慎重に各方面の意見を聞くということでいいではないか」と述べた

菅義偉官房長官は12日の記者会見で改正案について「政府と厚生労働省を中心に、この通常国会に提出すべく調整している」と語った

2004年以降のオリンピック開催都市はすべて罰則付きの受動喫煙防止策を導入している。世界保健機関(WHO)によると、2014年時点で世界188カ国中49カ国が屋内全面禁煙としており、受動喫煙政策の普及状況を示したWHOの評価基準で、日本は4段階中で最低ランクに位置付けられている

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