麻生太郎財務相は9月8日、消費税率を10%に引き上げた場合の負担軽減策として食料品などにかかる増税分を購入後に払い戻す「還付金制度」について、払い戻し分に上限を設ける考えを正式に表明した。一部では、戻ってくる金額の上限は4000円との報道もある。
政府は2017年4月に消費税率を10%に引き上げる際に、低所得者向けの負担軽減策を検討しているが、還付金の上限が低ければ負担は軽くならないという懸念がある。産経ニュースなどが報じた。
還付金制度案は、「酒類を除く飲食料品」を対象に、買い物するときにいったん10%の税率を支払ってもらうが、現行税率8%との差額の2%分を後で戻すしくみで検討されている。
例えば、1000円の飲食料品の買い物をした場合、消費税10%分を加えて1100円を支払うが、そのうち増税分の2%に当たる20円が後で戻ってくる。
どれくらい買い物をしたかは、2016年1月から運用が始まるマイナンバー制度で交付される「個人番号カード」を利用する。個人番号カードについたICチップに購入金額を記録し、あとから増税分を還付額を計算するとしている。
■戻ってくるお金、上限は「1人あたり年間4000円」という報道も
還付金額の上限について、NNNニュースや日経新聞が「1人あたり年4000円か、それを超える水準」などと報じている。この4000円という数字は20万円の買い物をした場合の2%にあたるのだが、この金額は多いのか、少ないのか。
例えば、農林水産省の「食料・農業・農村白書」によると、2014年の1人あたりの食料消費支出の実質額は月額2万2319円だった。単純に12倍すると26万7828円となる。
この金額の2%分は5357円にあたる。もし還付金の上限が年間4000円で決定されると、食料消費支出にかかる消費税額の約4分の1は還付されない計算となる。
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