日銀・黒田東彦総裁「消費増税、景気回復や物価目標達成の障害にならない」【争点:アベノミクス】

日銀の黒田東彦総裁は20日、NHKとのインタビューで、政府が来春に予定通り消費税率の引き上げを実施しても、景気が失速して日銀が掲げる2%の物価安定目標が達成できなくなることはない、と語った
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日銀の黒田東彦総裁は20日、NHKとのインタビューで、政府が来春に予定通り消費税率の引き上げを実施しても、景気が失速して日銀が掲げる2%の物価安定目標が達成できなくなることはない、と語った。

また、日銀の異次元緩和などによる足元の景気改善の動きは、次第に地方や中小企業にも及んでいくとの認識を示した。

黒田総裁は消費増税の影響について、景気や物価安定の障害にはならないとの見解を示した。税率引き上げの前後で駆け込み需要とその反動など消費の上下はあるとしたが、「消費増税で景気が失速し、2%の物価安定目標が達成できなくなることはない」と述べた。財政健全化が遅れれば、「社会保障も十分にはできなくなるし、経済がおかしくなってしまう」と警告。あらためて経済成長と消費増税、財政健全化は「両立するし、両立させなければならない」と強調した。

回復局面に入った日本経済については、企業や家計、都市部と地方などそれぞれに違う要素があり、「すべてが一挙に、一律に改善することは難しい」としながら「着実に改善は進んでいる」と明言。足元の景気改善の動きが「地方や中小企業にも及んでいくことになる」との見通しを示した。

(伊藤純夫  編集 宮崎大)

[東京 20日 ロイター]

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