麻生財務相「消費増税、考え直さなければならない情報はない」【争点:アベノミクス】

麻生太郎財務相は21日、閣議後の会見で、消費税増税について、考え直さなければならない情報はないと述べ、来年4月に予定通り3%引き上げるべきとの従来の考えを繰り返した。
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時事通信社

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麻生太郎財務相は21日、閣議後の会見で、消費税増税について、考え直さなければならない情報はないと述べ、来年4月に予定通り3%引き上げるべきとの従来の考えを繰り返した。

消費税引き上げのタイミングとして景気回復途上が望ましいとの認識も示し、先送り論をけん制した。

消費税増税をめぐっては、景気に配慮して先送りを求める声がある一方、財政再建のため予定通りに実施すべきとの意見も根強い。

麻生財務相は「来年3%(の引き上げ)を、ゼロにしたり先延ばしする納得できる理由を知りたい。(先送り論に対して)首をタテに振る理由がない」と指摘。「(予定通りの実施を)考え直さなければならない情報はない」と語った。

足元の景気情勢は、実質GDP(国内総生産)が3四半期連続でプラス成長となるなど、「総じて上向いている」と指摘。消費税引き上げのタイミングに関連して、「景気が一番ピークの時に上げるのは間違いだ。上り坂の途中でやるべき」と述べた。

景気回復のピーク時では消費税上げに伴う反動減を緩和できないため、消費税引き上げに伴う景気下押し圧力を吸収するには、回復途上での引き上げが好ましいとの認識を示した。

(吉川裕子)

[東京 21日 ロイター]

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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰下げ閣議後記者会見の概要(平成25年8月21日(水曜日))

問)

 消費増税の上げ幅やタイミングについていろいろな意見が出ていて、来週の有識者会合でも、もしかしたらそういったことも議論になったりするのかなと想像しているのですが、大臣としては消費増税については法律で決まっているとおり、あくまで法律どおり実施すべきであるとお考えか、それとも時期や上げ幅について多少動かしたりすることも考えられるということなのでしょうか。

答)

 有識者会合でどんな意見が出されるのかは分かりません。新聞記者の方もいるのでしょうし、皆さんが何ておっしゃるか全然知りませんし、会ったこともないですし、話をしたこともないので全然わかりません。人選は内閣府で行われた人選ですから、私はよくわかりません。したがって、その結論がどういう意見で出てくるかも分かりませんので何とも言えませんが、少なくとも、今、日本の中で景気指標を見ていたら、間違いなく3四半期連続でGDPは伸びていますし、下がっているものと言ったら失業率が下がったぐらいで、後の指標は総じて上向いているという状況だと思います。この種の消費税等々の税を上げるというのは、景気が良くなった時に一番ピークで上げるのは間違っていますので、上り坂にある途中にやるべきものなのだと私はそう思っています。今、いろいろな意見がいっぱい出ているそうですけれども、それを現状を変える、来年3%をゼロにする、先延ばしにする等々の理由というのは、私が納得できる理由というのを知りたい、私はそう思っていますが、少なくとも今伺っている話では、とても首を縦に振るような説得力のある話は聞いたことがないです。

問)

 消費増税に係る有識者会合の件ですが、大臣も全ての会に出席され、その中でいろいろな意見を聞かれると思います。そうした中で、いろいろ大臣として発していく意見、メッセージ等はあるのでしょうか。また、その結果を受けて、大臣として改めて考え直さなければいけないということはあるのでしょうか。

答)

 考え直すような意見というのが出てくれば、それはさっきお答えしたとおりなので、それはなるほどなというのがあるのかもしれませんけれども、少なくとも、私どもが得ている情報の中で、今、考え直さなければいけないというような情報は、私どもは接していないというのが現状です。

 それから、この種の話はヒアリングと言いますか、皆さんから御意見を頂くという話で、こちらが延々と説を述べるという会議ではありませんから、基本的には内閣府が選ばれた有識者の方々の話を聞くというのが基本です。

(「財務省ホームページ」より)

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