消費税率5%定期券の購入はお早めに

2014年4月1日より、消費税率は5%から8%に引き上げとなる。増税前に商品を"駆け込み購入"する人が多く、"一時的な好景気"と化している(私は、現在も景気が回復したとは思っていない)。
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2014年4月1日より、消費税率は5%から8%に引き上げとなる。増税前に商品を"駆け込み購入"する人が多く、"一時的な好景気"と化している(私は、現在も景気が回復したとは思っていない)。

■駆け込み購入対策として、新規定期券は利用開始日の14日前に発売

2014年3月18日、多くの鉄道事業者が4月1日から利用できる新規定期券の前倒し発売を開始した(継続定期券も発売開始)。通常、新規定期券は利用開始日の7日前から発売されているが、消費税率改定に伴う窓口の混雑を恐れ、継続定期券と同じ利用開始日の14日前に発売したのである。

過去、消費税3%導入前(1989年3月)には、定期券売り場が長蛇の列を作っていたが、消費税率5%引き上げ前(1997年3月)は、特に大きな混乱はなかったと記憶している。

では、今回はどうなのか。首都圏に限定して解説してみよう。

■通勤定期券

1989年4月1日の消費税導入時、定期券は窓口しか買えなかった。JR旅客鉄道は、みどりの窓口で購入できるのに対し、私鉄や地下鉄などは定期券発売所がある駅に限定されていた。

現在、定期券購入の可能な駅が大幅に増えた。2007年3月18日に関東地方大半の私鉄、地下鉄がPASMO(ICカード乗車券)を導入し、併せて一部券売機の多機能化も行なったからだ。窓口に比べ、購入できる時間帯が拡大され、利便性が向上した。

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多機能券売機で、2014年4月1日から利用できる消費税率5%の新規定期券を購入するには、従来通り7日前(3月25日)からの発売。JR東日本の指定席券売機については、3月18日から購入できる。

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私は多機能券売機の普及により、窓口で通勤定期券を購入する人は、1989年3月に比べ、ある程度多いと考えている。ただし、多機能券売機、窓口、JR東日本の指定席券売機とも、定期券購入客が殺到すると、乗車券などを買うのに時間がかかってしまい、"列車に乗り遅れる利用客が発生するのではないか"と懸念する。

■通学定期券

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通学定期券の場合、新年度最初の購入に際しては、通学証明書などが必要になるため、窓口でしか購入できない。仮に2014年度1学期の始業式が2014年4月7日の場合、3月24日から購入できる。

私は"消費税の増税前、新年度最初の通学定期券を買う生徒の数"に注目する。例として、東京都交通局神保町駅の定期券うりばでは、1学期初日の下校時に通学定期券を購入するため、長蛇の列ができるからだ。消費増税前に新年度最初の通学定期券を購入するには、3学期の終業式当日、もしくは春休み前半に通学証明書などの申請をする必要がある。

通学定期券の場合、通勤定期券と同様に窓口が混雑する恐れがある。特に私鉄などの場合、PASMO導入後、定期券うりばを閉鎖した駅があるからだ。

■消費税率5%定期券の購入はお早めに

消費税率5%定期券の購入は早いほうがよく、2014年3月18日以降、ここまで大きな混乱は起きていない。企業の多くは給料日が毎月25日なので、3月25日から定期券購入者が増えると予想する。3月30日までの定期券購入をお勧めしたい。

★備考

・ハフィントンポスト日本版「定期券、前倒し販売開始 消費増税前の駆け込み需要取り込む」

(2014年3月21日「Yahoo!個人」より転載)