犯罪を計画段階から処罰できるようにする「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が6月15日午前、参院本会議で自民・公明・日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
成立のプロセスをめぐっては、与党が参議院の法務委員会での審議・採決を省略する「中間報告」によって、本会議での採決に踏み切った。そのため野党からは「究極の強行採決だ」との批判が上がった。
「共謀罪」法の成立を受け、著名人が自身の考えをSNSで発信した。
タレントのデーブ・スペクターさんは15日朝、自身のTwitterで「自民党のやり方こそ凶暴罪」と、自民党の強硬姿勢に対して持ち前のダジャレを駆使して批判。成立前にも「通常国会は異常国会に」と警鐘を鳴らしていた。
また、タレントの松尾貴史さんもTwitterで、「自公政権の、悪辣さというか卑劣さというか狡猾さというか下品さというか姑息さというか」と非難。『他に支持するところがない』というのは自死に向かう思考停止だ」と、現政権を支持する人に対して疑問の声をあげた。
脳科学者の茂木健一郎さんは、メディアの報道に姿勢について言及し、「『テロ等準備罪』と報道しているけれども、法案の内容は『共謀』そのものを犯罪化して、刑法の体系を根本から書き換えるものだから、『共謀罪』という名前が正確だ」と強調。その上で、「日本の刑法学者たちは、今回のこの『共謀罪』をこれから実定法として教えていかなければならないのかと思うと、お気の毒で仕方がない」と憂いた。
ジャーナリストの江川紹子さんも、「共謀罪」法の成立を前に、「頭がまともに働く状態で、それぞれの議員が最終的な判断をすることにしたらどうか」と、与党の強硬姿勢に対して懸念を表明していた。