超微風から強風まで。タイマーで電源OFFも。昭和っぽい?「扇風機パソコン」作者に聞いた。

電気ポット型パソコンに続くユニークマシン。「より強力な風を生み出すことができる」と先生
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「扇風機パソコン」の本体(右)とモニター
Tomoya Eguchi

扇風機の機能を併せ持ったパソコンを、富山県立砺波(となみ)工業高(富山県砺波市)に勤める実習助手、江口友也さん(24)が自作し、Twitterで話題になっている。

パソコンには冷却ファンが58個備わっており、扇風機より強力な風を生み出すことができる。

江口さんはこれまで電気ポット型のパソコンも作ったことがある。生徒が2月、写真とともにTwitterに投稿したところ、大きな反響を読んだ。

その中に、ポットは保温性が高いため、パソコンの加熱を心配する声があった。江口さんはこれにヒントを得て、今度は通気性を改善したパソコンを作ろうと思い立った。

幸い手元には、以前安売りしていたのを大量に買いだめしておいた冷却ファンがあった。ファンは加熱したパソコン内部を冷やす装置。排気の際、外部に向けて風が出てくるため、江口さんは扇風機にもなると考えた。

「見た人がちょっとでも笑ってくれたら」。そう思った江口さんは製作を決心。生徒の協力も得て、約2週間で完成させた。

内部装置を入れるための箱を木で作り、側面と上下面にびっしり冷却ファンを取り付けた。正面には、古い扇風機の「超微風」「涼風」「強風」のボタンとタイマーを設定するダイヤルをつけた。「首振り」の有無を切り替えるつまみもある。

「弱、中、強」のボタンはいずれもパソコンの主電源になっていると同時に、ファンの風量も調節できる。

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扇風機のスイッチが生かされている。USBの差込口もある
Tomoya Eguchi

タイマーはパソコンを自動シャットダウンする時間を設定できるようにし、1分から60分まで調節できる。

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タイマー部分
Tomoya Eguchi

「首振り」のつまみを操作すれば、パソコン底部に取り付けられた軸が回転し、実際に「首振り」する。

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風量調節のスイッチの上には首振り用のつまみもある
Tomoya Eguchi

パソコンのスペックは、OSがWindows 10、CPUはIntelのPentium。記憶装置は256ギガバイトと480ギガバイトのSSDを2つ搭載している。安売りしていたファンも合わせ、本体の制作費は総額約12万円だったという。

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パソコンの内部
Tomoya Eguchi

江口さんはモニター代わりに、1959年(昭和34年)に作られた初期型の国産ポータブル真空管テレビも買った。画面は縦13センチ、横18センチの大きさで白黒。「扇風機とともにレトロ合わせにしてみました。室内は暑いので、このパソコンで作業すれば涼しくて快適です」と江口さんは笑う。

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畳の部屋で、ちゃぶ台に置けばレトロ感が一層増す
Tomoya Eguchi

立て続けに風変わりなマシンを製作してきた江口さんに次回作の構想があるのか聞いてみると、「『3部作』で考えています。次もお楽しみ下さい」と話した。