コミケ96 激臭問題、ハンディ扇風機が仇に? 来場者に聞いてみた

「ハンディ扇風機が流行ってしまったため、待機列で風に乗ってスメルがこっちに流れて来た」
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Visitors gather during the Comic Market (Comiket) 92 in Tokyo, Japan, 11 August 2017. Comiket is a biannual event exhibiting the works of independent self-publishers centered around manga, anime and video games. EPA/CHRISTOPHER JUE
時事通信社

 【コミケ96】夏コミの激臭問題、ハンディ扇風機が仇に? 男性来場者の涙ぐましい努力も

 世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット96(以下、コミケ)』(C96)が9日、東京ビッグサイトで開幕。会場の分散や4日間の開催など、従来と異なる点に注目が集まる今回だが、初日は38度を超える猛暑ながら16万人が来場したという。2日目以降にはより多くの動員が見込まれるが、常々言われていた“ニオイ問題”はどうか? 会場の様子、来場者自身のニオイ対策を聞いた。 

 夏のコミケにおいて、毎年話題になるのが“臭気問題”。参加者からは、「熱中症対策もいいけど異臭対策もしてほしい」「ニオイは2日目、3日目の方がヤバい」との声も聞かれるほか、SNSなどでは「風呂に入れ、洗濯しろ」などの啓蒙が行われている。 

 今回の会場は、東京ビッグサイトと青海展示棟の2ヶ所に分散されたうえ、青海は新築の建物。そのせいか、来場者からは「屋内は涼しくて快適だし、ニオイも気にならない」「人が分散されたのか、ぶつかって汗がべちょっとなる現象も例年より少ない気がする」といった声も。だが、「コミケ行きの電車、すごく臭い」と移動中に臭気を感じる人や、「ハンディ扇風機が流行ってしまったため、待機列で風に乗ってスメルがこっちに流れて来た」、「屋外のコスプレエリア、屋内より人が密集しているのでニオイがきつい」と、展示場以外でも臭気を感じる人が多かったようだ。 

 実際、話題に上がることが多いせいでニオイに対する意識が高まった人もいれば、そうでもない人もいる。1日目、2日目の来場者から話を聞いた。 

●40代男性
 「立ち止まるたびに、制汗スプレー、汗拭きシートを使っている。朝、シャワーも浴びたし、超がんばってるつもりだけど、やはり臭いですか?」(実際はそんなに臭くなかった) 

●女性30代
 「これだけ暑いとニオイは出るけど、汗もかくのでそこまで気にしていない。帰った後の靴の臭いは相当だと思うので、足がサラサラになるクリームはいつもより多めに塗った」 

●40代男性
 「いつもニオイのことは話題になるので、制汗スプレー、頻繁に汗を拭けるようにフェイスタオル3枚、着替えのTシャツ3枚は夏コミのときは毎回持っている。着替えがなかったら申し訳なくて帰りの電車に乗れない」 

●30代男性
 「すでに汗だくで、自分でも臭い。ここまで臭くなるとは思わなかったから、対策はしていない。もう帰ろうかと思うくらい不快。もしかすると生乾きの服だったのかも」 

 一方、炎天下でキュートなポーズを決めるコスプレイヤーたちも、それぞれ凝った衣装を着用しているだけに、ニオイには敏感だ。「洗えるものはもちろん、洗えないものも汚れたら気合でなんとか洗う。超造形のウィッグとかも手洗いする」、「素材が革のものはウエットティッシュで拭く」と、自身で対策をとっているそう。 

 また、コスプレイヤーからは、来場者のニオイへの指摘も上がった。「“前日お風呂に入ってくるように”というツイートがバズった時に、普段入ってないの?とビックリした」、「洗濯してきてるのかもしれないけど、ずっと同じ服だと匂いは取れない可能性があるから、滅菌処理とか、60度くらいのお湯で洗濯してきてほしい」、「距離があればわからない人が多いですが、小声で何言ってるかわからない時に近づいたら臭かった人がいる。人として必要最低限の清潔さは守ってほしい」と、なかなか手厳しいコメントが揃った。 

 「ニオイは気にはなるけど、コミケでは仕方ない」との諦めの声も聞こえてくるが、SNSの啓蒙活動の成果か、しっかり対策をしてくる人が増えたのは確か。過酷な状況であっても、最低限のエチケットを考え、各自ができる対策を行うべきだろう。「ニオイが蓄積する」と言われる後半戦、ニオイに悩まされることなく、誰もが楽しめるコミケになることを願う。

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