コロンビアで52年にわたって続いた内戦終結の是非を問う国民投票が10月2日に実施されたが、僅差で反対が上回り、否決された。
ロイターが伝えた選管当局の開票結果は、賛成が49.76%に対し、反対は50.23%。
国民投票は、サントス政権が9月26日、反政府ゲリラ組織「コロンビア革命軍」(FARC)との和平文書に調印したことに伴い実施された。1964年からゲリラ戦を続けてきたFARCだが、アメリカの支援を受けた掃討作戦に押され、最近の構成員数は7000人と激減していた。
4年間にわたってキューバでFARC幹部との交渉を続けてきたサントス大統領は投票前、勝利に自信を見せており「否決はコロンビアを再び戦争の時代に引き戻すことになる」と主張していた。
しかし、過激派掃討を進めたアルバロ・ウリベ元大統領ら反対派は、合意内容がFARCの構成員の社会復帰や政党結成、刑の免除を認めるなど、過激派に甘いと批判していた。FARCはアメリカ大陸で最長となる内戦で、不法な麻薬取引や誘拐、略奪などを組織的に主導しており、22万人以上が殺害され、行方不明者も数百万人に上る。
少数派のコロンビア民族解放軍(ELN)など、他の反政府ゲリラ組織との交渉を進めようとしていたサントス政権にとっては大きな痛手となる。