南米のコロンビアで52年間にわたって続いた内戦を終結させる和平協定が11月30日、コロンビア議会の下院で承認された。これにより反政府ゲリラ組織「コロンビア革命軍」(FARC)の武装解除につながる、歴史的な和平合意が成立した。CNNなどが伝えた。
コロンビア政府とFARCは9月に和平協定を結んだが、承認の是非を問う10月2日の国民投票で否決されていた。政府とFARCは内容を一部修正し、国民投票ではなく上下両院に承認を預けていた。
和平合意を政府と批准するために用意された会場で、開会式に並ぶFARC戦闘員(2016年9月)
和平を進めたフアン・マヌエル・サントス大統領は「コロンビア和平のため、歴史的な支援を希求した議会に感謝する」とTwitterで表明した。
コロンビア和平を進めた功績により、サントス氏は10月、2016年のノーベル平和賞に選出された。
一方で、ウリベ前大統領ら和平合意反対派は投票を棄権。FARCのメンバーが刑罰を免除されたり、政治参加する可能性があることなどを問題視している。
■コロンビア内戦とは?
ラテンアメリカ諸国では、1959年のキューバ革命をきっかけに反政府左翼ゲリラの結成が相次いだ。
1964年に結成されたFARCは、政府軍との内戦の中で、不法な麻薬取引や誘拐、略奪、テロを組織的に主導。2001年には日系企業の日本人副社長を誘拐する事件も起こしている(03年に遺体発見)。52年間にわたる内戦の結果、国土は荒廃し、暴力と麻薬栽培・取引が横行した。殺害されたのは22万人以上、行方不明者は数百万人に上るとみられている。
エル・ディアマンテの拠点にいるFARCの戦闘員 RAUL ARBOLEDA VIA GETTY IMAGES
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