世界広しと言えど、コーヒーを飲んだことがない大人はめったにいないだろう。コーヒーは至る所で飲まれていて、アメリカ国内のスターバックスの店舗数だけを見ても (2012年時点で1万924店舗!)、人々がカフェインを愛してやまないことが分かるはずだ。
うん、実に良いことだ。18歳以上のアメリカ人の54%は毎日コーヒーを飲み、彼らはコーヒーにより多くの恩恵を受けている。コーヒーは脳や肌、体にもすばらしい効用をもたらす。以下の11の理由を読めば、きっと新しい発見があるはずだ。
アメリカ人はコーヒーからもっとも多くの抗酸化物質を摂取している。
2005年に行われた研究結果によると、コーヒーほど多くの抗酸化物質を提供する飲料は他にない。果物や野菜にも抗酸化物質が豊富に含まれているが、コーヒーがもっとも吸収率が高いようだ。
香りを嗅ぐだけでストレス軽減。
ソウル大学校の研究者たちが、あえて睡眠を奪いストレスを与えたネズミの脳を調査したところ、コーヒーの香りを嗅いだネズミの蛋白質に変化があることが判明した。ただし、香りによるこの研究結果はすべてのストレスに該当するわけではなく、あくまでも睡眠不足がもたらすストレスに限られる。あなたの枕元にも、毎晩、焙煎されたコーヒー豆の袋を置いておけとは言わないが、試してみてもいいかもしれないね!
コーヒーはパーキンソン病の症状を改善する。
2012年に『サイエンス・デイリー』誌で発表された論文によると、コーヒーは、パーキンソン病の人が自身の体の動きを制御するのに一役買うかもしれない。研究著者のロナルド·ポスツマ医学博士は、こう述べている。「カフェインを摂取している人は、パーキンソン病を発症しにくいという研究結果が出ました。そして、この研究は、カフェインがパーキンソン病特有の体の動きを制御することを明らかにした先駆的なものの1つです」。
コーヒーは肝臓に良い (特にお酒を飲む人に効果あり)。
2006年に発表された研究によると、22年間にわたり12万5000人を対象に調査を行った結果、1日に少なくとも1杯のコーヒーを飲む人は、肝硬変を発症する危険性が20%低下するという。肝硬変はアルコールの過分な摂取が引き起こす自己免疫性肝疾患で、肝不全や肝臓癌を発症する引金にもなり得る。この論文の主執筆者であるアーサー·クラツキー氏は、イギリスの「ガーディアン」紙で、このように述べている。「コーヒーには、アルコール性肝硬変を防ぐ効果があるようです。コーヒーを飲めば飲むほど、アルコール性肝硬変で入院したり、死亡する危険性は低くなります」。
また、コーヒーが非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) の発症を防ぐことも発表されている。デューク・シンガポール国立大学医科大学院(Duke-NUS)医学部率いる国際研究チームは、コーヒーまたは紅茶を1日4杯以上飲むと、非アルコール性脂肪性肝疾患の進行が抑えられるかもしれないとしている。
コーヒーは幸せな気分にしてくれる。
アメリカ国立衛生研究所の研究により、コーヒーを4杯以上飲む人は、そうでない人に比べて鬱になる可能性が約10%低いことが分かっている。その理由は、“カフェインハイ” と呼ばれるカフェインによる気分の昂揚によるものではないようだ。というのも、コーラにもカフェインハイの作用があるが、こちらは鬱に関連しているからだ。研究著者であるホンレイ・チェン (MD、PhD) 氏は、Prevention.com にて、コーヒーを飲むと気分が良くなるのは、信頼できる抗酸化物質のおかげだと語っている。
コーヒーを飲むと自殺率が低下する。
ハーバード公衆衛生大学院が行った研究により、2~4杯のコーヒーを飲むと、男女共に自殺率が約50%低下することが明らかになった。これは、コーヒーがセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの特定神経伝達物質の生産を高めることで、軽度の抗鬱剤として作用するためだとされている。
コーヒーは皮膚がんの予防に効果的 (ただし女性に限る)。
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバード大学医学部が20年間にわたり11万2897人の男女を調査したところ、1日3杯以上のコーヒーを飲む女性は、そうでない人に比べて皮膚がんの発症率がかなり低いことが分かった。
コーヒーは体を鍛えるのに効果的。
ニューヨーク・タイムズは、「運動前に1杯のコーヒーを飲むと、特に長距離走やサイクリングといった持久力の必要なスポーツの運動効果が高まることを、科学者と多くのスポーツ選手は昔から知っている」と伝えている。カフェインが血中の脂肪酸濃度を高めることで、筋肉が脂肪酸を燃やしてエネルギーを得る。こうして、貯蔵量の少ないグリコーゲンをその後の運動にとっておくことができる。
コーヒーは2型糖尿病の発症率を下げる。
アメリカ化学会が行った研究によると、コーヒーは2型糖尿病にかかる危険性をも下げるという。1日に4杯以上のコーヒーを飲む人は、2型糖尿病の発症率が50%少ないことが判明した。さらに、飲む量が1杯増えるごとに発症率は7%ずつ低下する。
コーヒーを飲むと、脳の健康が長く保たれる。
サウス・フロリダ大学とマイアミ大学の研究によると、65歳以上でカフェインの血中濃度が高い人は、濃度が低い人に比べてアルツハイマーの発症が2~4年遅いことが分かった。共著者であるサウス・フロリダ大学の神経科学者、チュアンヘイ・カオ氏は、次のように語っている。「適量のコーヒーを飲めば完全にアルツハイマーを防止できるというわけではありません。しかし、アルツハイマーの発症率を大きく下げ、発症を遅らせることができると強く信じています」。
コーヒーを飲むと賢くなる……かもしれない。
睡眠不足の時、コーヒーを飲むでしょう? そんな時のコーヒーには、目を覚ます作用があるだけでなく、頭をスッキリさせる作用もある。CNN は、コーヒーが脳を活性化させると伝えている。TIME 誌の記者であるマイケル·レモニック氏は、次のように述べている。「睡眠不足の時にカフェインを取ると、さまざまな効果が得られます。反応時間が早くなったり、警戒感や注意力が高まったり、 論理的推論ができるようになったりと、複雑な知能の働きのほとんどに効果が見られます」。
この話の教訓? それは、コーヒーは最高だということさ。これからも飲み続けよう。