毎日の生活にコーヒーが欠かせないという人は多いだろう。しかし、近い将来、我々人間だけでなくクルマにもコーヒーが要るようになるかもしれない。英国のバース大学が、使用済みのコーヒー豆が立派なバイオディーゼルになる、という研究結果を発表したのでお伝えしよう。
コーヒー豆が燃料になることは数年前から分かっていたそうだが、バース大ではその後、様々な実験を行い、実用化への道を模索してきたという。例えば、カフェイン入りの豆とディカフェ(カフェイン抜き)の豆を含む20種類もの異なる豆から出来上がった燃料に違いがあるのかを確認するため、それぞれの燃料を対比。その結果、豆の種類を問わず、挽きたての豆には全体の重さの11~15パーセント、使用後の豆には7~13パーセントの油分が含まれていることが分かったそうだ。
燃料は、使用済みのコーヒー豆に有機触媒を加え、エステル交換という化学反応を起こすことで作れるという。
大学の研究チームによると、製造方法がシンプルなため将来的には地元のコーヒーショップなどで作ることが可能であり、さらに、1日10kgの使用済み豆から2リットルの燃料を製造できるのではないかと予想している。たった2リットルかと思うかもしれないが、もともとゴミとして捨てられていたものから生まれるというのだから、もしコーヒー燃料が実現すれば革命的だと言えるだろう。
ちなみに、数年前に放送された英BBCのTVショー『Bang Goes the Theory』では、フォルクスワーゲン「シロッコ」に代替燃料としてこのコーヒー燃料を用い、同車を走らせることに成功している。
もっと詳しく知りたい人は、同大学のプレスリリース(英語)もどうぞ。
By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
(2014年6月26日「Autoblog Japan」より転載)