世界有数のコーヒー消費国スイスが、非常用の備蓄食糧からコーヒーを除外することを検討し始めた。政府が4月10日、公式サイトで表明した。
「コーヒーは人が生きるために不可欠ではない」というのが理由だが、国民の間では賛否が割れそうだ。
この中にコーヒーも含まれており、政府は、ネスレなど国内メーカー計15社に対し、国民が消費する3カ月分を備蓄するよう求めてきた。
備蓄は戦争や自然災害、疫病など非常事態が起きたときに国民に提供するのが目的だが、ユーロニュースによると、「コーヒーはカロリーは低く、栄養摂取には寄与しない。もはやコーヒーを備蓄する正当性はない」と関係機関は判断しているという。
ロイター通信によると、メーカー15社のうち12社は「コーヒーは老化防止の効果があり、ビタミンも摂取できる」などとして備蓄の継続を訴えているという。
スイスの飲食業界の団体「カフェティエスイス」の調査によると、スイス人は1人あたり、年間1110杯以上のコーヒーを飲み、ノルウェー、ドイツに次ぐコーヒー消費大国という。
備蓄品からコーヒーを除外する政府案は、国民からの意見聴取をへて11月に正式に決まる見通しだが、なお曲折がありそうだ。