宮崎県宮崎市の住宅で12月20日、焼き鳥をしていた男性3人が一酸化炭素中毒の疑いで病院に搬送され、うち2人が死亡した。
警察によると、3人は「いろりがある部屋で木炭を使って焼き鳥をしていた」と、朝日新聞デジタルは報じている。
一酸化炭素は人体に有毒な気体で、ガス機器や練炭などが不完全燃焼が起こすと発生する。毒性がとても強く、少し吸い込んだだけでも頭痛・吐き気、最悪の場合は死に至る危険性がある。
日ごと寒さが厳しくなり、鍋物や焼き物などで身体を温めたくなる季節。部屋の中で火を扱うとき、一酸化炭素中毒を防ぐためには、どのような点に気をつければよいのだろうか。
東京消防庁防災部の担当者はハフポストに対し、「この時期、一酸化炭素中毒は身近にある危険です」と語る。
2011年から2016年までの過去5年間、東京消防庁管内での一酸化炭素中毒の発生件数は46件。そのうち、1月と12月が26件と半数以上を占める。
発生要因別では七輪・火鉢・いろりなど炭を使うものが7割、給湯器やガスコンロなどガスを用いるものが2割にのぼる。石油ストーブなどの暖房器具を使用する際にも注意が必要だ。
「こうした器具を部屋を閉め切った状態で使用すると、不完全燃焼時に室内の一酸化炭素の濃度が高くなってしまい、中毒に陥る危険性があります」
一酸化炭素中毒のサインにはどんなものがあるのか。東京消防庁の担当者はこう語る。
「最初は軽い頭痛や耳鳴りなど。その後、悪心、嘔吐などがあり、重症の場合は脈が早くなったり、意識障害やけいれん、失禁などの症状が現れます」
重篤の場合は呼吸障害がみられ、最悪の場合は死に至るという。
中毒事故を防ぐにはどうすればよいのだろうか。担当者は「器具の点検」と「換気」が大切だとして、注意を呼びかける。
「不完全燃焼を防ぐため、器具の定期的な点検や清掃が大切です。(火を用いる)器具を使用する際は、換気扇を使用したり、定期的に窓などを開けるなどして十分な換気をしてください」
「東京消防庁ではホームページでも注意を呼びかけています。一酸化炭素中毒が疑われる症状の場合は、すぐに119番通報をお願いします」